久保地区には「双子が生まれるという水」の流れがあり、管理しておられるお宅の名前から「持田さんの水」ともいわれています。
←不思議な水の流れ
持田さんのお宅の裏には、地区の住人が大川と呼ぶ久保川が流れ、それに沿って旧道が通っています。
川の土手際に直径60〜70センチメートルの姫胡桃(ひめぐるみ)の大木がありました。
この木は昭和56年の台風で倒れてしまいましたが、実の形が変わっていて、普通の実は一つの筋で二つが合わさった形をしていますが、
三つが合わさった形の実があったそうです。
←普通の実(上)と三つ合わせの実(下)
この胡桃の木の雫が落ちる下に湧き水があり、昔の人は「上げせぎ」と呼んでいました。
昭和30年代に上水道が整備されるまでは、この水で炊事や洗濯をしており、生活の水として利用されていました。
この地区には10軒の所帯があり、その中の8世帯で合わせて9組の双子が誕生し、双子を生んだ最高齢の人は70歳近く、若い人は25歳ということです。
また、あるお宅では教員を下宿させていましたが、その奥さんまでが双子を出産されたそうです。
さらに持田さんの上流でも、双子が2組生まれているお宅があります。
続々と双子が誕生しているので、この話が伝わり、村外からも子供に恵まれない方が、この水を汲んでお持ち帰りになるそうです。
この水を飲んで子宝に恵まれると、この不思議な水の紹介者を出産祝に招待しているとのことです。
そのとき、持田さんは姫胡桃の実も贈ってあげたそうです。
今、倒れた木のそばに子木が育っており、近いうちに実がなりそうで、どんな実がなるのか楽しみにしておられます。
不思議な水は今も変わらず流れています。
※爺ちゃんの話では、”おのぶさん”というお婆さんが言い出したのがもとだそうで、そんなに古い話ではありません。
実際に、今でも数名の双子の方がご健在です。
◎平成16年2月、NHK長野放送局が夕方のローカル番組でこの話を紹介していました。
最終更新 2015年10月27日