1袋1,000円でポリ袋に家庭用りんごが詰め放題できるイベントは毎回大人気で、開始1時間前からお待ちのお客様もいらっしゃいます。
袋を買う順番待ちのお客様
おばちゃん:コンテナの中をご覧になって
「これなんちゅうりんご?」
売り子:「ほとんど《シナノスイート》です。あと《秋映》《シナノゴールド》《王林》が少しあります」
おばちゃん:「詰め放題の袋ってどんなん?」
売り子:さっとエプロンのポケットから袋を出し
「はいこちらです。30個くらい入りますよ」
おばちゃん:「ほなひとつもらお」
売り子:「現金引き換えで1,000円です」
おばちゃん:「おっちゃん、しっかりしてんなあ」
袋を引っ張って広げ、破れそうになるほど詰め込んで、二人がかりで車に運んで行かれました。
しばらくすると戻ってこられ
おばちゃん:「数えたら40個も入ってたでえ」
売り子:「それはすごいですねえ」
おばちゃん:「わざわざ戻って来たんやから、これひとつちょうだい」
といって大玉を1個拾い出してお持ち帰りになりました。
※わざわざ大阪からお越しだけあって、し(ちゃ)っかりしてらっしゃいますね。
おっちゃん:大玉ばかりを選んで無理矢理詰めていたらとうとう袋が破れてしまい
「袋破れてしもたわ。取り替えてくれへん?」
売り子:「たくさんお詰めになったので、重くて破れちゃったんですよ。申し訳ありませんが交換はできませんねえ」
おっちゃん:「そなこといわんと取り替えてえな」
売り子:「金魚すくいの紙が破れたのと同じで、新しい袋に取り替えることはできませんね。どうしてもとおっしゃるのなら新しい袋をお買いください。」
おっちゃん:「ほないらんわ」
※その後も破れたところを縛って熱心に詰め込んでらっしゃいました。
売り子:サビが多く着色も悪いので、誰も手を出そうとしないりんごを1個取り出し
「みなさんに見放されたりんごがどんな味か、ちょっと味見していただきましょう」
と言って両手で割り
「はいご覧ください、中はこの通りです」
お客さん:熱心に詰めていた手を休めてちらっと振り向き
「わあすごい!蜜たっぷりね」
売り子:「そうですね。じゃあ味はどうか確認していただきましょう」
アップルカッターで切って差しだすと
お客さん:一切れつまんですぐ囓り
「美味しい!味は外見じゃないね」
売り子:「みなさんに見放されたのにこんなに美味しいんですよ。まだたくさん残っていますから、どんどん詰めてくださいね」
※みなさん片手で食べかけのりんごを持ったまま、ますます熱心に奮闘していらっしゃいました。
赤くなれなかったりんごでも、けっこう美味しいのがあるんですよ。
奥さん:張り切って袋からあふれるほど詰めたものの、身動きできなくなって
「おとうさ〜ん!おとうさ〜〜ん!!おとうさ〜〜〜ん!!!」
急いで駆けつけたご主人は、袋からこぼれ落ちそうになっているりんごを何個か取り出して両手で抱え、奥さんが運びやすくしてあげてらっしゃいました。
※ 優しいご主人ですねえ。
「俺が持ってやろうか」などとはおっしゃらなかったようです。
(写真と本文の内容の関連はありません)
売り子:前週の日曜にご夫妻でお越しになり「こんなにたくさん買ったんだから何かサービスしてよ」とおっしゃった奥さんを見かけ
「いらっしゃいませ。先週に続いてまたお越しいただき、ありがとうございます」
奥さん:「そうなのよ。先週ここのりんごを東京の友達に送ったら美味しいというので、また買いに来たのよ」
売り子:「それはどうもありがとうございます」
奥さん:たくさんのお客様が詰め放題に群がっている様子をご覧になり
「私も詰め放題やるわ。袋ちょうだい」
売り子:「はいどうぞ、がんばって詰めてください」
※奥さんが詰め放題で奮闘中、ご主人は黙々と宅急便の送り状を書いていらっしゃいました。
先週、お帰り間際に詰め放題のコンテナの中から1個プレゼントした《サンふじ》が余程美味しかったのでしょうね(お友達に味見させて評判が良かったからまたお越しになったなどとは決して思っておりません)。
(写真と本文の内容の関連はありません)
お父さん:「詰め放題をやりたいんだけど」
売り子:「いらっしゃいませ、1袋1,000円です」
お父さん:「茨城から長野へ来るたびに寄ってくんだよ」
売り子:「それはいつもありがとうございます」
お父さん:「女房に『こんなにたくさん買ってきてどうすんのよ』と怒られるんだけど、つい買ってっちゃうんだよねえ」
売り子:「お帰りになったら腕を奮って奥様にりんご料理をサービスしてあげてください。《焼きりんご》なんか簡単ですよ」
お父さん:「あははは、たまにはやってみるか」
※今回は家庭用《サンふじ》を袋一杯に詰めてお帰りになりました。
豪快な男の料理ができたでしょうか。
(写真と本文の内容の関連はありません)
奥さん:「ここでは500円の詰め放題はやってないの?」
売り子:「申し訳ございません、1,000円だけなんですよ」
奥さん:「高いわねえ。500円に負けてよ」
売り子:「そうはいかないですね、ご覧の通りみなさん1,000円でお買いいただいてますので」
奥さん:「あんなにたくさんいらないわ。半分だけ詰めるから500円にしてよ」
売り子:「袋が1,000円なんですよ。どのくらいお詰めになるかはお客様次第ですので、もし多すぎたらお友達と半分になさったらいかがですか。お一人500円になりますよ」
奥さん:「じゃあいいわ」
※何もお買いにならないでお帰りになりました。わざわざお越しいただいたのにご期待に添えず申し訳ございませんでした。次回はお友達を誘ってお越しください。
(写真と本文の内容の関連はありません)
お客さん:「女房がインターネットでここのホームページを見てねえ、きょう詰め放題をやってるっていうもんだから、わざわざ来たんだよ」
売り子:「それはどうもありがとうございます」
お客さん:「これなんていう種類かね?」
売り子:「ほとんど《シナノスイート》です」
お客さん:「《ふじ》はないのかね」
売り子:「今年は生育が遅れていますので、11月末から12月になれば《サンふじ》の詰め放題ができるかもしれませんね」
お客さん:「インターネットに出るかい?」
売り子:「多分お知らせしますよ」
お客さん:「そうかい、じゃあそれ見たらまた来るとしよう」
※家庭用の《シナノスイート》を袋一杯詰めてお帰りになりました。