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北信州のはなしことば 「か行」
おことわり:ことばの解釈や用法、語源などは、あくまでもこのページの管理者が勝手に判断したもので、学術的な根拠に基づくものではありません。説明が不適当だったり、間違っているものがありましたら、ご容赦ください。
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- 「かぁ」(【ぁ】を上げる)
- 「香」。においのこと。
- 「おこたの中で変なかぁするど」(炬燵の中で変な臭いがするよ)
- 「があはる」(【が】を低く【あはる】を上げる)
- ”意地を張る”こと。
- 「があばかはってうるせこと」(意地ばかり張ってうるさいこと)
- 「かいこあげ」
- 「蚕上げ」。繭(まゆ)を作るようになった蚕を、1匹ずつ拾い上げて”すくら”(繭を作らせるための藁で編んだ立体的構造物)に入れること。じょうぞく。
- 「・・・かいやぁ」
- ”・・・ですかねぇ”という疑問を柔らかくいうことば。
- 「明日はいい天気になるんかいやぁ」(明日はいい天気になるんですかねぇ)などという。
- 「かう」(支う)
- 「鍵をかう(掛ける)」
「つっかいぼをかう(支柱で支える)」
か・う【支う】:
1)ささえにする。支柱として入れる。
2)鍵やかんぬきなどで開かないようにする。広辞苑
- 「かう」(飼う)
- 「なっぱかってまんまくった」(菜っ葉をおかずにしてご飯を食べた)
か・う【飼う】:
1)動物にえさや水を与える。
2)動物に食を与えて養っておく。飼養する。
3)投与する。盛る。広辞苑
- 「かぎつけ」
- 囲炉裏で使う”自在鈎(じざいかぎ)”のこと。
- 「かくし」
- 洋服の”ポケット”のこと。
「ポッケ」とも言う。
- 「がげ」(【が】が高く【げ】を下げる)
- 家の軒(のき)のこと。軒下は「がげした」(【げ】を上げる)という。
- 「かしがる」
- 漢字は「傾がる」。かたむくこと。「ひっかしがる」ともいう。
- 「かずける」
- ”かこつける””口実にする”。漢字では「被ける」。
かずける:かこつける。ことよせる。広辞苑
- 「かすこく」
- ”生意気なことを言う”。
- 「かすこくでねえ」(生意気なことを言うな)
- 「がたく」
- ”腕白”という意味。「があたく」ともいう。
- 「がたく息子があだけるもんで、家がおっこされちゃう」(腕白息子が暴れるので、家が壊されてしまう)
- 「がたくる」
- 家の改築などであちこち壊したりすることを、婆ちゃんは「がたくる」という。
- 相手に意味が通じているかどうかは不明。
- 「かたる」
- 子守りをすること。
「ぼこをかたる」(赤ん坊の子守りをする)
- 「かちきわたる」
積もった雪の表面が固まった状態。雪が深くても沈まずに歩ける。
昼間に晴れて気温が上昇すると雪の表面だけが溶け、夜間、気温が下がると溶けた水分が凍って硬い氷の板状になる。
- 「かちゃねえ」
- ”価値がない”あるいは”つまらない”。「価値ない」が訛った。
- 以前、信越放送の某Sアナウンサーが「かっちゃね」というような題の歌を放送で歌っていた。
- 「かっくらす」
- ”激しく殴りつける”こと。
- 「かっぺなす」
- ”馬鹿にする”というような意味らしい。
- 「かてっぽ」
- ”片方”のこと。
- 「かなっこおり」
- ”氷のようにつめたい”こと。「金氷(かなこおり)」がつまった。
- 「雪の中で遊んでたら、かなっこおりのような手んなった」(氷のような手になった)
かなこおり:冷たくて氷のような感じのもの。きわめて冷たいこと。「足が金氷となる」広辞苑
- 「かねちょろ」
- ”蜥蜴(とかげ)”のこと。
- 「かまける」
- ”愚痴や不平を口にする”という意味。漢字では「感ける」。
- 共通語の”零す(こぼす)”に近く、本来の「かまける」とは違った使われ方がされている。
かまける:
1)感ずる。感動する。心が動く。
2)一つのことに心を取られて、他がおろそかになる。拘泥する。広辞苑
- 「かまんどく」
- ”構わないで置く”、”放っておく”こと。”無視する”という意味でも使う。
程度が増すと「されっかまんどく」となる。
「せわばかやかねでかまんどけ」(世話ばかり焼いていないで放っておきなさい)
- 「かみゆき」
- 普段あまり雪が降らない、南の地方に降る雪のこと。「上雪」
湿った重たい雪が交通を混乱させるが、この時は北信州ではほとんど降らない。
- 「がめる」
- ”盗む”こと。
- 「〜かやあ」
- ”〜かな?”という疑問のことば。
「おらちのおんなしょ来たかやぁ」(私の家内がこちらに来ましたかねえ?)
- 「がわ」
- ”そば”、”脇”。
- 「がわへ寄せる」(側へ寄せる)などという。
- 「かわかわしている」
- 腹を空かせている様子。
- 「がわた」
- ”周り”や”外枠”などをいう。
- 「かわばる」
- ”乾いている”、”干からびている”こと。
- 「おやきのかわかわばったんで蒸し器で蒸したらやっこくなった」
(”おやき”の皮が干からびてしまったので蒸し器で蒸したら柔らかくなった)
- 「かんから」
- ”空き缶”のこと。
- 「かんからけっとばしてあすんだ」(かんからを蹴飛ばして遊んだ)
- 「かんじる」
- 冷え込むこと。「寒じる」。
- 「今朝は寒じるなあ」(今朝は冷えこむなあ)
- 「かんばりまわる」
- 前後転や側転などをすること。「かんばり」の語源は不明。
- 「かんべんな」
- ”勘弁してください”という意味。
- 「かんしかんべんな」(ご免ね、勘弁してよ)
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- 「きいせく」
- ”あせる”こと。”気が急く(せく)”が訛った。
- 「きいまわす」
- ”気を配る”、”心配する”こと。”気を回す”が訛った。
気を回す:あれこれ余計なことを心配したり想像したりする。広辞苑
- 「きいもめる」
- ”いらいらする”こと。”気が揉める(もめる)”が訛った。
- 「きいやむ」
- ”思い悩む”こと。”気に病む”が訛った。
気に病む:くよくよと思い悩む。広辞苑
- 「きっくり」(【き】が高く【っくり】を下げる)
- ”しゃっくり”のこと。
- 「きなくせ」
- ”きな臭い”が訛った。
- 「きなした」
- ”来た”の尊敬表現。”来なさった”という意味。
- 「きなしで」
- 漢字では「気無しで」。”うっかりして”という意味。
「きなしで、免許証忘れて出かけた。」(うっかりして免許証を忘れて出かけた。)
- 「きなった」
- ”来た”の尊敬表現。”お越しになった”という意味。
- 「きょお」「きょー」
- 1)”お経”のこと。
2)”お灸”のこと。
- 「きょく」
- ”郵便局”を省略して「きょく」という。
- 「ぎりはずす」
- ”脱臼する”こと。
- 「きる」
- 蒲団を”掛ける”こと。漢字では”着る”。
「蒲団着て寝たる姿や東山」服部嵐雪
- 「きんばんちょう」
- ”几帳面”。
- 「あの人はきんばんちょうで、毎朝5時せえばへえ畑へ行かる」
(あの人は几帳面で毎朝5時といえばもう畑へお出かけになる)
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- 「くいんぼ」
- ”杭”のこと。”杭棒”が訛ったものか?
- 「くいんぼぶちこんで、柱立てた」(杭を打ち込んで柱を立てた)
- 「ぐえー」
- ”具合”が訛った。状態や体調のこと。
「風邪引いたやら、あ〜ぐえーわりぃ」(風邪をひいてしまったのか、あ〜、具合が悪い)
- 「くさっぱち」
- 口の周りにできた”吹き出物”、”できもの”のこと。生の栗や胡桃を食べすぎると「くさっぱち」ができるといわれた。
- 昔は栄養が悪かったせいか、口の周りに「くさっぱち」のある子がいたが、今は見かけない。
- 「ぐざる」
- ”駄々を捏ねる”こと。「ぐずる」ともいう。
ぐず・る:
(「愚図る」は当て字)
1)ぐずぐずする。
2)ぐずぐず言う。だだをこねる。
3)言いがかりをつける。広辞苑
- 「くじな」
- ”蒲公英(たんぽぽ)”のこと。
- 「くずやね」
- ”藁葺屋根”のこと。「屑屋根」
”茅葺き”は丈夫で長持ちするが材料を確保しておくのが大変なため、百姓家は”麦藁”で屋根を葺いていた。
- 「くちばた」
- ”口の周り”のこと。「口端」
- 「ぐっしょ」
- 水で”ぐっしょり”濡れていること。「ぐっちょ」、「びっちょ」ともいう。
- 「ぐっちゃ」
- ”水たまり”や”泥濘(ぬかるみ)のこと。
- 「くびったるい」
- 首が凝った状態をいう。
- 「くっとくらい」
- ”お召し上がりください”という意味。
- 「餅搗いたんでくっとくらい」(餅を搗いたのでお召し上がりください)
- 「くまんばち」
- スズメバチのことを「くまんばち」ということが多い。「熊ん蜂」。
くまんばち:クマバチの転。スズメバチの俗称。広辞苑
- 「・・・くらい」
- ”・・・ください”という意味。
- 「くろ」「くらい」「くんない」「おくらい」「おくんない」とだんだん丁寧になる。
- 「くらしつける」
- ”殴りつける”こと。
- 「猿のやろりんご齧ってるんでくらしつけずそもったら、くゎらんくゎらん逃げてはした」
(猿の野郎がりんごを齧っているので殴りつけてやろうと思ったら、からんからん逃げて行った)
- 「くらす」
- ”殴る”。
- 「くりくり」
- ”全部”、”そっくり”という意味。程度が激しくなると「くりっくり」
- 「猿のやろ軒下の串柿くりっくりもってはした」
(猿の野郎が軒下の干し柿を全部持って逃げて行った)
- 「くるみ」
- ”踝(くるぶし)”のこと。
- 「ぐるり」
- ”周り”、”周辺”のこと。
- 「畑のぐるりの草が伸びてきた。」
- 「くれる」
- 物などを”与える”こと。「呉れる」
「花に水をくれる」(水をやる)
「犬に餌をくれる」(餌を与える)
くれる【呉れる】:
1)(自分が相手に)物をあたえる。また、動作を加える。やる。くれてやる。
2)(相手が自分に)物をあたえる。広辞苑
- 「ぐれる」
- 天気が下り坂になること。
- 「膝が病めるから天気がぐれる。」
- 「・・・・くろ」(【ろ】を上げる)
- 「・・・・ください」という意味。
- 「車がとおるんで、ちょっとそこどいててくろ」(どいていてください)
- 「くんない」(【な】を上げる)
- ”くださいな”という意味。文字だけ見ると否定だが、否定ではない。
「ちょっとそこのお皿取ってくんない」(ちょっとそこのお皿取ってくださいな)
- 「くんない」(【ない】を上げる)
- ”くださいませんか”という意味。「お願いします」という感じが含まれている。
「ちょっとそこのお皿取ってくんない」(ちょっとそこのお皿取っていただけますか)
- 「くんない」
- ”くれない(呉れない)”が訛った。「与えない」「やらない」という意味。
「爺ちゃんはけちだから孫にこづけくんない」(孫に小遣いをやらない)
- 「くんね」(【ね】を上げる)
- ”くださいよ”という意味。
「ちょっとそこのお皿取ってくんね」(ちょっとそこのお皿取ってくださいよ)
- 「くんね」
- ”くれない(呉れない)”という意味。
- 「母ちゃんこづけくんねかい」(お母さんお小遣いください)
「手伝いしねからこづけなんかくんね」(お手伝いをしないからお小遣いなんかやらないよ)
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- 「けえこむ」
- 「掻い込む」が訛った。「掻き込む」こと。
かき‐こ・む【掻き込む】:
1)自分の方へ掻き寄せる。かかえこむ。かいこむ。
2)飯(めし)などを急いで食べる。かっこむ。広辞苑
- 「けえだし」(【けえ】が高い)「けーだし」
- 道路から家の庭や玄関に続く取り付け部分。”駆け出し”あたりが語源かもしれないがよくわからない。
- 「おやどはけえだしが長いから、雪かきが大変だねえ」。
- 「けえだす」
- 「掻い出す」が訛った。「汲み出す」こと。
かい‐だ・す【掻い出す】:(カキダスの音便) たまったものをなくそうと汲んで出す。広辞苑
- 「風呂の水けえだして洗濯に使う」(風呂の水を汲み出して洗濯に使う)
- 「げぇーに」「げーに」
- ”強く”、”力いっぱい”という意味。
「そんなにげぇーにはたくない」(そんなに強く叩かないでください)
- 転じて、”思いっきり”という意味でも使われる。
「今夜はげぇーにいっぺやるかい」(今夜は思いっきり飲みましょう)
- 「げえもねえ」
- 効果や、してみるだけの値打ちがないこと。”無駄”、”もったいない”。
- ”甲斐もない”が訛った。
- 「けえり」
- ”帰り”が訛った。
- 「がっこのけえりにそりん乗ってあすんだ」
(学校の帰りに橇に乗って遊んだ)
- 「けえる」
- ”帰る”が訛った。
- 「げえろっぱ」
- ”オオバコ”のこと。「蛙葉」が訛った。
- 二人が両手に持った「げえろっぱ」の花茎を交差させ、左右交互に引っ張って強さを競う遊びを「ずこずこ」と呼んだ。
- 「けつかる」
- ”いる”。
けつかる:「在る」「居る」の卑語。居やがる。広辞苑
「遊女めが見てけつかるぞ暑い舟」(小林一茶)
- 「けつっぺた」
- ”しりべた【尻臀】””尻っぺた”のこと。。
しりべた【尻臀】:尻の、肉の多い部分。しりたむら。しりっぺた。広辞苑
- 「けそくれる」
- ”平気な顔をする”、”知らん振りをする”
- 「けそけそ」していること。
- 「けそけそ」
- 気にしないで平気な様。
- 「ねしょべんしたのにけそけそしてる」(寝小便したのに平然とした態度でいる)。
けそけそ:恥じずに平然たるさま。広辞苑
- 「けたくそわるい」
- ”腹の虫が治まらない”こと。
- 「けつける」
- ”蹴つまずく”こと。「けっつける」ともいう。
- 「けっこくる」
- ”蹴っとばす”
- 「げっとに」
- ”強く”、”力一杯”、”思いっきり”という意味。「げーに」
- 「けべ」(【け】が低く【べ】を上げる)
- ”煙い(けむい・けぶい)”が訛った。
- 「けやす」
- 火や文字などを”消す”こと。
- 「げろりん」
- 細い竹を組み合わせて長靴の底に取りつけ、凍った雪道を滑る遊具。
- 「〜けん」
- ”〜けど”という意味。
「おらほにも桜はあるけん誰もみいこね」
(私たちの地区にも桜はあるけど誰も見に来ない)
- 「〜けんさあ」
- ”〜けどねえ”という意味。
「何やって食ってるんか知らねけんさあ」
(どんな仕事をして生活しているか知りませんけどねえ)
- 「〜けんども」
- ”けれども”が訛った。
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- 「こいたま」
- ”やたらに沢山”という意味。「しこたま」ともいう。
- 「ごおたれ」
- きかん坊、暴れん坊、始末に負えない、というような感じ。
- 「がたく」よりも質が悪い。「ごおたれ息子」
- 「ごおつくばり」
- ”よくばり”
- 「こおながる」
- 腰をまげること。
- 「こおながって仕事をしたんでこしゃいて」(腰を曲げて仕事をしていたので腰が痛い)
- 「こかす」
- ”叩く”こと。
- 「ごがわく」
- ”業が湧く(ごうがわく)”が訛った。「ごうわかす」ともいう。”業を煮やす”、”業が煮える”と同じ。
ごうがわく:腹立たしさに、心がいらいらする。広辞苑
- 「こく」
- 漢字では「放く」。過去形は「こいた」
こく:
1)体外に出す。はなつ。ひる。「屁をこく」。
2)ものを言うことを卑しめていう語。ぬかす。「嘘こきゃあがれ」広辞苑
- 「こくる」
- (喉を)”なめらかに通過しない””詰まる”こと。
「何も飲まねでパン食ったら喉こくった」(何も飲まないでパンを食べたら喉に詰まった)
- 「こごむ」
- 漢字では「屈む」。”かがむ”と同じ。
こごむ:腰や足を曲げて低くなる。しゃがむ。広辞苑
- 「こごり」
- ”かたまり”のこと。
「雪のこごり」「土のこごり」「砂糖のこごり」などという。
こごり【凝り】:
1)こごること。また、そのもの。
2)魚の煮汁をこごらせたもの。煮凝り。
こごる【凝る】:かたまって堅くなる。こおって固くなる。凝結する。
広辞苑
- 「ござんした」
- ”ございます”。
「おはようござんした」(おはようございます)
中年以上で「おはようございました」と挨拶する人がいる。
この使い方を元FM長野のアナウンサーだった大岩氏は「パーツは標準語」と分析している。
- 「ごじ」
- 昆虫の幼虫のこと。うじ虫。
- 「ごしょらく」
- ”後生楽(ごしょうらく)”が訛った。”暢気”という意味。
ごしょうらく【後生楽】:
1)後生は安楽であると思って安心すること。
2)何事も苦にせずのんきなこと。広辞苑
- 「こすい」
- 漢字では「狡い」。”ずるい”
こすい:わるがしこい。ずるい。広辞苑
- 「こすき」
- 棒の先に平らな板を打ち付けた雪かきの道具。
- 最近はプラスチック製の軽い道具を使うことが多い。
- 「ごたこねる」
- ”御託をいう”こと。”道理に適わないことをいう”というような意味。
ごたく【御託】(御託宣の略):
くどくどと言うこと。また、傲慢な言い分。略して「ごた」ともいう。広辞苑
- 「こづけ」(【こ】が高く【づけ】を下げる)
- ”小遣い”のこと。
- 「ごっしゃん」
- 謡曲やお茶、お花などの”師匠”、”先生”のこと。「ご師匠さん」が変化した。
- 「ごったく」
- ”がらくた”、”ゴミ”
「物置を整理したらごったく(がらくた)が山ほど出てきたんで、畑に持っていって焚いた」
- 「ごっぱな」
- ”鼻水”のこと。
- 「こてっぱや」
- ”早朝”
「こてっぱやに出掛けてった」(朝早く出掛けていった)
- 「・・・ごてら」
- ”・・・ごと”という意味。
「菓子くれたら箱ごてら持ってはした」(お菓子をあげたら箱ごと持って行った)
「いがごてら都へ出たり丹波栗」(小林一茶)
- 「こてらんねぇ」
- (良い思いで)”もう、たまらない”。”こたえられない”が訛った。
- 「ことしはお菜が馬鹿高く売れて、こてらんね」(ことしは野沢菜がとても高い値段で売れたので、もうたまらない)などという。
- 「こてる」
- ”堪える(こらえる)”、”我慢する”
「いますぐつっかい棒をかうから、いもちっとこててろ」(今すぐつっかい棒をするから、もうちょっと堪えていろ)
- 「このかん」
- ”この位”、”これ位”
「あのやろけちだからこのかんくれたっていいだねかいせったけん、だめだっと」
(あいつはケチなので、これ位呉れたっていいでしょうと頼んだけど、駄目でしたよ)
- 「このけんまく」
- ”こんなに沢山”という意味。
- 「台風でこのけんまくりんご落とされて、どうしたらいいやら」
(台風でこんなに沢山りんごを落とされて、どうしたらいいでしょう)
- 「こましゃっくれる」
- ”ませている”こと。
- 「こましゃっくれた子どもだこと」(ませた子どもだねえ)
- 「こみっけえす」
- 逆流すること。
- 「大雨で雨水こみっけえしてえんさの下まで水浸しんなった」
(雨水が逆流して縁の下まで水浸しになった)
- 「ごむさい」
- ”きたない”、”汚れている”
- 「五無斉(ごむさい)」という雅号の人がいたような気がするが、関係あるのかな。
- 「こらる」
- ”おいでになる””いらっしゃる”という意味。過去形は「こらった」
- 「せんせ家庭訪問にこらるど」
(先生が家庭訪問にいらっしゃいますよ)
- 「これっぱか」
- ”こんな少しばかり”。
「今年は景気悪いんで孫にこずけこれっぱかしかくれらんね」
(今年は景気が悪いので孫に小遣いをこんな少ししか呉れられない)
- 「ころころ」
- ”こおろぎ(蟋蟀)”のこと。
鳴き声からきた呼び方か。
- 「ころばす」
- 立っているものを倒すこと。「木をころばす」(木を切り倒す)。
- 高杜神社のお祭りに掲げる大幟用の幟竿(のぼりざお)を倒すことを、「幟ころばし」という。
ころばす:倒す。広辞苑
- 「こわい」
- ごわごわしていること。「強い」
猪の毛はこわいので有刺鉄線でも平気で通り抜ける。
- 「ごわす」
- ”ございます”。「ござんす」ともいう。
「遠いところごくろさんでごわす」(遠いところをお疲れ様でございます)
- 「こん」
- ”こと(事)”が訛った。
「そんなこん急にせわれたってだめど」(そんなこと急に言われても駄目ですよ)
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