久保の家
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北信州のはなしことば 「ま行」

「ま」(13) 「み」(5) 「む」(7) 「め」(9) 「も」(12)

おことわり:ことばの解釈や用法、語源などは、あくまでもこのページの管理者が勝手に判断したもので、学術的な根拠に基づくものではありません。説明が不適当だったり、間違っているものがありましたら、ご容赦ください。

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「ま」

「まあず」(「まーず」)
”とても”
「まあま」(「まーま」)
”きれい”という幼児語。
まあまな服着てかわいいぼこだこと」(きれいな服を着て可愛い赤ん坊だこと)
「まくまく」
暗くなる様子をいう。
まくまくしてきた(暗くなってきた)
「まけ」
”一族”のこと。漢字は「族」。
「○○まけ(○○一族)の墓地」などと使う。
まけ:一族。血統。まき。すじ。広辞苑
「まさきり」
”鉞(まさかり)”のこと。
「まちこてらんね」
”待ちきれない”こと。
「まっくろけって」
一目散に走っていく様をいう。
「まつべる」
1)子どもを可愛がること。
2)散らばっているものを集めること。漢字では「集べる」。
 そばを打つときは、そば粉に少しずつお湯を加えてこね、小さな団子にしたものをまつべて、だんだん大きな団子にこねていく。
まつべる:ひとところに集めそろえる。まとめる。広辞苑
「まてい」
”丁寧”という意味。
「あのうちの嫁さんはまあずまていでたまげた」(あの家のお嫁さんはとても丁寧で驚いた)
「ままやく」
吃音すること。
「まみ」
”眉毛”のこと。漢字では「眉」。
村山元総理の写真を見て「あの爺さんのまみの毛はなんであんなに長いんかねぇ」
まみ:まゆ。まみえ。広辞苑
「まる」(【ま】を高く【る】を下げる)
漢字では「放る」。「ひる(放る)」ともいう。
”竹取物語”のなかで、燕が糞をする箇所にも出ている由緒ある?ことばの一つ。
まる:排泄ハイセツする。大小便をする。ひる。広辞苑
「まるごてら」
”丸ごと”
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「み」

「・・・みぃ」(【ぃ】を上げる)
”・・・してみなさいよ”という意味。
「いいから食べてみぃ(いいから食べてみなさいよ)」
「やってみぃ(やってみなさいよ)」
「みぐさい」
”みっともない”。漢字では「見臭い」。「みぐせ」ともいう。
「出かけるときはそんな見臭いなりするもんだねぇ」(出かけるときはそんなみっともない格好をするものでなないよ)
みぐさい:(東北・信越地方で) 見苦しい。醜い。めぐさい。広辞苑
「みずつく」
大水が出て家が浸水すること。
「大夕立降って庭じょお水びたしんなりみずつくかそもった」
(大夕立が降って庭中水浸しになり、家の中に浸水するかと思った)
「みなみ」(【なみ】を上げる)
真冬の日中に気温が上がることを「みなみになる」という。
湿った重たい雪のことを「みなみ雪」という。
”南”とは微妙に発音が違う。
「みらる」(【ら】を上げる)
”ご覧になる”こと。「見らる」。
「母袋の叔父ちゃんテレビに出てらったの見らったかい」
「母袋の叔父さんがテレビに出ておられたのをご覧になりましたか?」
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「む」

「むきわるい」(【む】が高く他は下げる)
”きまりが悪い”、”ばつが悪い”
「むける」
卵から幼虫や雛が孵化すること。
「むしずる」
保存している穀物が虫に食い荒らされていること。
虫の死がいや糞、食べかすなどが芋づる式につながっていることからできたことばか?
「むじなえぶし」
部屋中に煙が充満すること。「狢燻し(むじないぶし)」が訛った。
炬燵の中に燃え残った薪が混じると、煙が出て、部屋中煙だらけになってしまう。
狢(むじな)を穴から燻りだすことから転じた。
「むす」
”蒸し暑い”こと。「蒸す」
むす【蒸す】: 風がなく温度・湿度が高くて、暑さがこもるように感じられる。広辞苑
「むらう」
”貰う(もらう)”が訛った。”いただく”こと。
「お祭りへ行くのにこずけむらったかやあ」
「お祭りへ行くのにお小遣いを貰いましたか」
「むらより」
地区の会合のこと。「村寄り」
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「め」

「め」「めえ」
”前”が訛った。
「うちん中へえるめえに、ズボンのゴミよくはらえ」
「家の中に入る前にズボンに付いたゴミをよく掃いなさい」
「めーで」
”前方”のこと。信州の3大方言のひとつ「前で」がさらに訛った。
めーでのうち」(前のお宅)
「めごめご」
赤ん坊が愛くるしく可愛い様子。
余所で通じるかどうかは不明。
「めためた」
”目茶目茶”
「台風でハウスがめためたにおっこされた」(台風でビニルハウスが目茶目茶に壊された)
「めっかる」
探し物などが”見つかる”こと。
「財布どっかいっちゃったせってたけんめっかったかい」
「財布がどこかへ行ったとおっしゃっておられましたが見つかりましたか?」
「めっける」
無くなった物などを”見つける”こと。
「めった」
”やたらに””尚更”という意味。「滅多」。「めた」ともいう。
「蚊にくわれたとこをめった(やたらに)掻くもんで血い出てきた。」
「めめず」
”蚯蚓(みみず)”が訛った。
「めめちゃんこ」
”ほんのちょっと”という意味。
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「も」

「もおぞ」
”ものぐさ”、”面倒くさがる”
もおぞで口いっぺに頬張ってる」(面倒くさがって口一杯に頬張っている」
「もおらかす」
”洩らす”こと。
「もおらしい」
”かわいそう”
「こんな雨んなか、傘も差さずにもおらしい」
(こんな雨の中を傘も差さないで可哀想に)
「もおる」
水などが”漏る”こと。
「てんじょから雨もおってるど」
(天井から雨が漏っていますよ)
「もげる」
”耄碌する”こと。
「もこ」
”むこ(婿)”が訛った。「もこさん」(婿さん)
「もぞっけ」
”くすぐったい”。”むずがゆい”から変化したらしい。
くすぐることを「もぞかす」という。
「もってね」(【も】が高く【ってね】が下がる)
”持っていない”こと。
「余分な銭なんかもってねど」
(余分なお金なんか持っていませんよ)
「もってねえ」(【も】が低く【ってねえ】が上がる)
”もったいない”こと。
「あんなにえっぺ食べ残してもってねえなあ」
「あんなにたくさん食べ残しをしてもったいないですねえ」
「ももさ」
”もぐさ”が訛った。
もぐさ【艾】(燃え草の意):ヨモギの異称。広辞苑
「もろ」
”室(むろ)”のこと。
「もん」
1)”ひと”のこと。
2)”物”のこと。
”者”や”物”が変化して同じ「もん」になったらしい。
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