久保区が高杜神社に奉納する門灯籠は、材料の老朽化と住民の高齢化が相まって、お祭りに立てることが困難になっていたため、区民の総意で常設化することになりました。
建立までの経過を残しておきます。
2008年10月 竣工
※大部分の写真は松本木材株式会社様から提出された完成図書から引用しています。
従来は高杜神社の秋祭りの朝に鳥居の前に立て、お祭りが終わると解体していましたが、常設すると鳥居が見えなくなることから、建設場所は鳥居の奥の石段の上としました。
本殿まで約250m続く杉並木は、高山村第1回景観賞に選定されており、門灯籠も優れた景観に調和した木造としました。
平成20年6月26日 高杜神社・中村総代長、篠原副総代長をお招きし、勝山神官さんによって工事の安全を祈願する地鎮祭を執り行いました。
建設場所は緩い登り斜面で、周囲は杉の大木がそびえています。
もっとも古い杉の樹齢は400年ともいわれ、杉の根を傷めない基礎にする必要があります。
杉の根が張っていると基礎を深くできないため、べた基礎にして荷重を受ける構造としました。
地面を掘ると予想通り、太い杉の根が何本も露出しました。
掘ったときに皮が剥けた部分に防腐剤を塗布して保護します。
砕石を転圧し、その上を防湿シートで覆います。
鉄筋を組み、生コンを打設します。
基礎の完成です。
立ち上がり部分には御影石の沓石が載り、親柱と控え柱を支えます。
平らな部分は土で覆います。
平成20年7月6日 門灯籠の親柱となる欅材を選定するため、松本木材・松本社長、中島頭領とともに、建設委員6名が、群馬県富岡市へ出張しました。
(株)勅使河原製材は全国から欅材を集めている欅専門の銘木屋さんです。
あらかじめ用意されていた7寸角の親柱が取れる材料4本の中から、門灯籠に相応しい材料を選定しました。
5寸角の控え柱と貫の材料も、慎重に吟味して選定しました。
建て方の前に、白木用保護塗料を塗布しておきます。
平成20年8月26日 建て方
夕方、区役員代表と建設委員により上棟式を執り行いました。
屋根は銅板葺きです。
床部分の障子が取り付けられました。
前面と後面に各4枚、左右側面に各2枚の障子が立てられました。
文字は区内の書道家・勝山耕煙氏に揮毫していただき、アクリル板に貼り付けてあります。
平成20年10月13日 無事に完成し、高杜神社氏子総代をお招きして竣工祭を執り行いました。
平成20年10月16日 高杜神社の例大祭で門灯籠が点灯されました。
堀之内と久保の神楽は門灯籠を通って杉並木を上って行きました。
須坂新聞 平成20年10月10日