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山田温泉薬師堂の算額〜パワースポット

算額薬師堂の算額
 山田温泉の薬師堂の中に上がらせていただき、薬師如来様に手を合せてから格天井(ごうてんじょう)を見回すと、赤い三角形の描かれたの一区画(格間)が目に入ります。

これは近在の和算家が数学の難問が解けたことを神仏に感謝するとともにその問題を広く人々に知らせるために奉納した『算額』で、久保の勝山寛氏が『会報高山史談』No.12の中で「この堂の算額の内容は力学であり、珍しい内容である。」と紹介しています。
 また須坂市の和算研究家・北原勲氏は平成29年8月に開催された須坂市民総合大学第2回公開必修講座「須坂とその周辺の和算の歴史と魅力について」で和算の講演を行い、須坂市内にある2面の算額と共に山田温泉薬師堂の『算額』を紹介しています。

そこで、中学生にも分かるような方法で和算の問題が解ければ先人の感動が少しでも味わえるのではと思い立ち、試行錯誤しながらトライしてみました。

さんがく【算額】
 和算家が自分の発見した数学の問題や解法を書いて神社などに奉納した絵馬。額面題。【広辞苑】

わさん【和算】
 日本古来の数学。江戸時代に関孝和その他の俊才を生み、方程式論に相当するもの、円周率、曲線図形の面積や曲面に囲まれた立体の体積を求めることなどに独自の発達を示したが、明治になって輸入された西洋数学に圧倒された。 和算の名称は、この頃に洋算に対して作られたもの。【広辞苑】


薬師堂の算額

薬師堂の格天井薬師堂の格天井

問題を読み解く

問題を解くにはどんな内容なのか理解する必要があるので、まじまじと『算額』を眺めてみました。
 ところが描かれているのは赤い三角形と漢字だけで、しかも和算の学術用語が含まれていて、ちゃんと勉強してからでないと内容を正しく把握できそうにないことが分かり、いきなりお手上げです。
 このため自力の読み解きはあっさり諦め、図書館へ行って長野県内の算額に関する専門書を探し出し、和算研究者による解説を見て問題の意味を明確にするとともに、解法を考える参考にしました。


算額の解説

中村信弥・長野県和算研究会会長の解説を引用します。

薬師堂の算額 山田温泉薬師堂
[奉納](推定)明治元年(1868年)
[奉納者とその系譜]
 奉納者は、額面に
   當国高井郡八町村 関流八傳町田安祐公達撰
とある。八町村は現在の現在の須坂市八町である。 町田は、山田温泉薬師堂奉額の4年前の元治元年(1864年)に須坂市永流寺の格天井にも算額を奉納している。 この額面には
   関流正統八傳 土屋脩蔵門人 八町邑 町田安祐公達撰
とあり、両方の額面に「関流正統八傳」「関流八傳」と名乗っているが、町田の師匠は誰か不明である。

[問]
【題意】 図のように、均質な三斜(一般三角形)の板がある。 右の三角形の重さは3貫目、左の三角形の重さは6貫目である。甲と乙を持ち上げる。
 そのときの甲、乙の受重を求めよ。

【答】 甲の受重:4貫目、 乙の受重:5貫目

【術】 甲の受重={(左重+右重)+右重}/3
    乙の受重={(左重+右重)+左重}/3

中村信弥【改訂 増補長野県の算額】より


町田安祐公達について

中村信弥の解説のほかにも町田安祐公達に関する情報がありました。

「この堂の算額の内容は力学であり、珍しい内容である。奉納者は高井郡八町村関流八伝町田安祐公達で、町田は安助と言い、天保2年(1831年)、町田清吉の二男として生まれている。土屋修造門人とあるので常盤町の土屋宅へ通い、関流の算学を学んだ人である。」
勝山寛「山田温泉の薬師堂について」より

「高山村山田温泉の薬師堂の格天井に描かれた一面の算額がある。明治1年(1868)に奉納されたものであるが、出題者町田公達については須坂市八町の人であること以外は何もわからない。格天井に描かれているという形式といい、重心についての問題といい、信濃では他に例をみない算額である。」
赤羽千鶴「信濃の和算」より

中村信弥について

長野県内の中学校に勤務する傍ら、50年にわたって和算の研究を続け、県内の寺社に残るすべての算額問題を検証しました。
 昭和30年代に高山中学校で3年間教鞭を取り、その間に和算研究者・赤羽千鶴と同行して山田温泉薬師堂の算額を調査し、昭和39年(1964年)に『郷土の算額 : 東北信地方』(出版地:高山村、謄写版)を著しています。

 略歴:昭和8年(1933年)長野県小諸市出身
    昭和29年(1954年)信州大学教育学部修了、昭和43年(1968年)玉川大学文学部卒業
    長野県内中学校に40年勤務、平成6年(1994年)東御市立北御牧中学校校長定年退職
    平成23年(2011年)「信毎賞」受賞
 専門分野:長野県関係の和算資料の蒐集とその研究
 所属学会:日本数学史学会、長野県和算研究会
 主要著書:『長野県の算額』(共著)、『幕末の偉大なる数学者』(共著)、『幕末に咲いた和算の花 : 『算法瑚[レン]』と勧戒之器』、他多数。


現代解法

和算研究者による現代解法 その1

中村信弥の著書に記載されている解法です。

現代解法1
現代解法2
【術との関係】 @、Aの式は、【術】に記された式と一致する。

中村信弥【長野県現存算額集大成 算額への招待】より


和算研究者による現代解法 その2

赤羽千鶴の著書に記載されている解法です。

現代解法の図
 左右の三角形の重さをそれぞれa、b、甲乙にかかる重さをx、yとする。
 図から
     (2a+b)/3×(a+b)=(a+b)x
   ∴ x=(2a+b)/3={(a+b)+a}/3
 同様に
     y=(a+2b)/3={(a+b)+b}/3
 ここでa=6、b=3とすると x=5、y=4
    答 甲の受重4貫目、乙の受重5貫目
赤羽千鶴『信濃の和算』より


中学生にも分かる解き方

中村信弥の解説によって算額に書かれている【問】と【答】の意味は分かりましたが、【術】は説明がないのでなんでそうなるのかという道筋が不明です。
 また中村と赤羽による現代解法も専門家向きで、すぐに納得できるのは数学の先生と理系の高校生以上に限られそうなので、中学生でもすっきり答を出せそうな解き方を検討します。


解き方のポイント

中村と赤羽の解説から『算額』の【問】は中学校の数学と理科を合わせたような問題であることが分かったので、これを解く鍵は(1)”三角形の重心”と(2)”てこの原理”(モーメント)だろうと当たりをつけ、解き方のポイントをまとめました。

(1)”三角形の重心”について

じゅうしん【重心】
 〔理〕物体の各部分に働く重力の合力が作用すると考えられる点。質量中心。重力中心。
 〔数〕三角形で、各頂点と対辺の中点とを結ぶ線分の交点。【広辞苑】

三角形の重心  また三角形の重心の性質として次の3項目があります。

  1)三角形の重心は中線の交点になる。
  2)重心は中線を2:1に分ける。
  3)3本の中線は重心で交わる。

(2)”てこの原理”について

てこのげんり【梃子の原理】
 棒の1点を支点とし、小さな力を支点から遠い点(力点)に加えると、支点に近い点(作用点)で大きな力が得られるという原理。 てこが釣り合っていると、力点、作用点における力F、Wと、支点からこの2点までの距離l、Lの間に、 Fl=WL の関係がある。【広辞苑】

モーメント【moment】
 〔理〕主に回転能力の大きさを表す量。定点からの位置ベクトルと着目する物理量とのベクトル積として表される。 力のモーメント、運動量のモーメント(角運動量)、電気・磁気双極子モーメントなど。能率。モメント。【広辞苑】

てこの原理
 図でBDの長さをL1、DCの長さをL2とし、Dにかかる荷重をW、B、Cにかかる受重をFb、Fc、とすると
   Fb+Fc=W
   W×L1=Fc×(L1+L2)
   W×L2=Fb×(L1+L2)
が成り立つ。応用として荷重が2カ所の場合は以下の通りになる。

てこの原理
   Fb+Fc=W1+W2
   W1×L1+W2×(L1+L2)=Fc×(L1+L2+L3)
   W2×L3+W1×(L3+L2)=Fb×(L1+L2+L3)


問題の整理

中村による現代解法に説明を追加して整理します。

三角形の板図1 重心と荷重
[問題]
 材質が均一な三角形の板 僊BC があり、重さはWである。
 頂点Aから辺BCに引いた垂線と辺BCとの交点(垂線の足)をDとする。
 このとき僊BD の重さをa、僊CD の重さをbとする。→ W=a+b
 頂点BとCで三角形の板を支えるとき、Bの受重FbとCの受重Fcを求めよ。

[重心と作用点]
 図1において辺BCの中点をEとし、頂点AとEを結ぶと僊BCの重心は前述(1)の1)からAE上にあることが分かる。ここで
   AG:GE=2:1
と分割する点をGとすると、前述(1)の2)からGは僊BCの重心になる。
 重心Gから辺BCに下ろした垂線と辺BCとの交点(垂線の足)をFとする。
 僊BCの重さWがFに集中すると考えることで、BとCにかかる受重は、BとCを支点と力点、Fを作用点とする"てこの原理"で求めることができる。

[板の重さと三角形の辺の長さ]
 僊BDの板の重さa、僊DCの板の重さbと、それぞれの三角形の底辺の長さBD、DCに注目すると
   a∝僊BDの面積=BD×AD/2
   b∝僊DCの面積=DC×AD/2
 僊BDと僊DCは高さADが同じであるから
   a:b=BD:DC
となり、二つの三角形の重さはそれぞれの底辺の長さに比例していることが分かる。

ここで
   BD=k×a、DC=k×b
となる比例定数kを適当に選ぶことで
   BD=a、DC=b、BC=a+b
として計算することができる。

※中村と赤羽の解法中では既知のこととして利用されている。


中学生にも分かる解法その1 直感で

○手始めに、僊BDと僊DCの底辺BDとDCに、直感で適当な値を当てはめて計算してみる。

図1において BD:DC=a:bであることから a=6、b=3 を代入すると
   BD:DC=6:3=2:1
となる。

そこで直感的にBD=12、DC=6、BC=18として計算する。
   BE=BC/2=18/2=9
   ED=BD−BE=12−9=3

僊EDと僭EFは相似であるから
   AG:GE=2:1、FD:EF=2:1
 従って
   FD=ED×2/3
 ED=3を代入すると
   FD=3×2/3=2
 ∴ BF=BD−FD=12−2=10
   FC=FD+DC=2+6=8

力点をB、支点をC、作用点をFとすると、Bにおける受重Fbは
   Fb×BC=W×FC → Fb=W×FC/BC
となる。これに W=9、FC=8、BC=18 を代入すると
   Fb=9×8/18=4

同様に力点をC、支点をB、作用点をFとすると、Cにおける受重Fcは
   Fc×BC=W×BF → Fc=W×BF/BC=9×10/18=5

よってFb=甲=4貫目、Fc=乙=5貫目となり算額の【答】と同じになる。

※まぐれで答が出るときもある。


中学生にも分かる解法その2 別々に

○二つの三角形を別々に考える。

三角形の板図2 二つの三角形と重心
 僊BDの重さをa、辺BDの中点をEとし、僊BDにおいてAとEを結び
   AG1:G1E=2:1
と分割する点をG1とするとG1は僊BDの重心になる。
 重心G1から辺BDに下ろした垂線と辺BDとの交点(垂線の足)をHとすると、僊BDの重さaは点Hに作用すると考えることができる。
 僊EDと僭1EHは相似であるから
   AG1:G1E=2:1、HD:EH=2:1
 従って
   HD=ED×2/3=BD×1/2×2/3=BD×1/3
   BH=BD-HD=BD×2/3
   HC=BD×1/3+DC
 僊DCの重さをb、辺DCの中点をFとし、僊DCにおいてAとFを結び
   AG2:G2E=2:1
と分割する点をG2とするとG2は僊DCの重心になる。
 重心G2から辺DCに下ろした垂線と辺DCとの交点(垂線の足)をIとすると、僊DCの重さbは点Iに作用すると考えることができる。
 僊FDと僭2FIは相似であるから
   AG2:G2F=2:1、DI:IF=2:1
 従って
   DI=DF×2/3=DC×1/2×2/3=DC×1/3
 これから
   IC=DC-DI=DC×2/3
   BI=BD+DI=BD+DC×2/3
 三角形の板を支える受重FbとFcは、支点と力点をBとC、作用点をHとIの2カ所にすることで計算できる。
 力点をB、支点をCとすると
   Fb×(BD+DC)=a×HC+b×IC=a×(BD×1/3+DC)+b×DC×2/3
 力点をC、支点をBとすると
   Fc×(BD+DC)=a×BH+b×BI=a×BD×2/3+b×(BD+DC×2/3)
 ここで
   BD=a、DC=b、BC=a+b
とすると
   Fb×(a+b)=a×(a×1/3+b)+b×b×2/3=1/3×(a+b){(a+b)+b}
   → Fb= 1/3×{(a+b)+b} ・・・@
   Fc×(a+b)=a×a×2/3+b×(a+b×2/3)=1/3×(a+b){(a+b)+a}
   → Fc= 1/3×{(a+b)+a} ・・・A
 @Aは算額の【術】と同じである。
 これにa=6、b=3、a+b=9を代入すると
   Fb=1/3×(9+3)=4
   Fc=1/3×(9+6)=5
 よってFb=甲=4貫目、Fc=乙=5貫目となり算額の【答】と同じになる。

※別々に考えても結果は同じになる。


中学生にも分かる解法その3 見方を変えて

○図形の問題は適当な補助線を引くことで解決の糸口になることが良くある。

三角形の板図3 2箇所の作用点
 図3において 僊BDの辺BDの中点をEとすると、
   BE=ED=BD/2
   BD:DC=2:1 → DC=BD/2
 したがって
   BE=ED=DC
である。

僊DCと僊DEはADを軸とする線対象の直角三角形で面積は同じであることから、僊ECの重心はAD上に位置するため、僊ECの重さ(2b)は点Dに作用すると考えることができる。

BEの中点をFとし、Eから垂線を立ててAFとの交点をGとする。
   BF=FE=BE/2=ED/2 → FE:ED=1:2
   僭FEと僊FDは相似 → GF:AG=1:2
 したがってGは僊BEの重心である。
 ここで
   僊BEの重さ=僊BD/2=a/2
であるから、僊BEの重さ(a/2)が点Eに作用すると考えることができる。

三角形の板を支える荷重FbとFcは、支点と力点をBとC、作用点をEとDの2箇所にすることで計算できる。

ここで BE=ED=DC=L とし、力点をB、支点をCとすると
   Fb×3L=a/2×2L+2b×L → Fb=(a+2b)/3
 これにa=6、b=3を代入すると
   Fb=(6+2×3)/3=4

同様に力点をC、支点をBとすると
   Fc×3L=a/2×L+2b×2L → Fc=(a/2+4b)/3=(6/2+4×3)/3=5

よって甲=4貫目、乙=5貫目となり算額の【答】と同じになる。

※この解法は左右の三角形の重さの比率が2:1のときだけの特殊事例。


現代解法を分かりやすく補足

○中村の現代解法のなかで、中学生ではちょっと分かりにくそうな部分に説明を加える。

三角形の板図1
 図1において
   BF=BD−FD
    僊ED∽僭EF → AG:GE=2:1、DF:FE=2:1
    →FD=2/3×DE
     DE=BD−BE=BD−((BD+DC))/2=((BD-DC))/2
     FD= 2/3×{1/2×(BD-DC) }=1/3×(BD-DC)
    ∴BF=BD- 1/3×(BD-DC)=1/3×(2BD+DC)=1/3×(2a+b)
     FC=FD+DC=1/3×(BD-DC)+DC=1/3×(BD+2DC)=1/3×(a+2b)

 僊BCの重さW=a+bであるから、支点をC、作用点をF、力点Bにかかる受重をFbとすると
    W×FC=Fb×BC
    →Fb=(W×FC)/BC=1/(a+b)×(a+b)×(a+2b)/3=1/3×(a+2b)=1/3×(W+b)・・・@
 支点をB、作用点をF、力点Cにかかる受重をFcとすると
    W×BF=Fc×BC
    →Fc=(W×BF)/BC=1/(a+b)×(a+b)×(2a+b)/3=1/3×(2a+b)=1/3×(W+a)・・・A
 @Aは算額の【術】と同じである。

 ここでW=9、a=6、b=3を代入すると
   Fb=4、Fc=5
 甲=4貫目、乙=5貫目となり算額の【答】と同じである。

※算額の【術】は、左右の三角形の重さの比率が設問と異なる場合でも容易に答が得られる一般解である。
   例) 左:9、右:3の場合 → 甲:5、乙:7
      左:12、右:3の場合 → 甲:6、乙:9 など


高校の数学レベル

ここまでは中学校の数学と理科で解けるレベルでしたが、高校の数学で習う「重心に関連する公式」を利用すると重心の位置がすんなり得られてしまいます。


内分点の座標を求める公式から

◎内分点の分割公式から重心の位置を導くことができる。

三角形の板図1
 図1において、線分EDにおける点E、Dの座標をE(e)、D(d)とし、EDをm:nに内分する点Fの座標をF(f)とするとき、
  f=(n×e+m×d)/(m+n)
という内分点の分割公式がある。

ここでe=(a+b)/2、d=b、m=1、n=2とすると
  f={2×(a+b)/2+1×a)}/(1+2)=(2a+b)/3
となる。

従って
  BF=(2a+b)/3・・・@
  FC=BC−BF=(a+b)−(2a+b)/3=(a+2b)/3・・・A

これから
     Fb=(W×FC)/BC
     Fc=(W×BF)/BC
 ここで
   W=a+b、BC=a+b、a=6、b=3とすると
   Fb=1/3×(a+2b)=1/3×(6+6)=4
   Fc=1/3×(2a+b)=1/3×(12+3)=5
 よってFb=甲=4貫目、Fc=乙=5貫目となり算額の【答】と同じになる。


重心の座標の公式から

◎三角形の重心座標の公式を応用して導くことができる。

重心の座標  三角形の頂点を座標(xi,yi)で表すとき、重心の座標(xg,yg)を表す
   xg=(x1+x2+x3)/3
   yg=(y1+y2+y2)/3
という公式がある。

図4 重心の座標

重心の座標  設問に沿って三角形の頂点の座標を図4のようにする。
  A(a,ya)、B(0,0)、C(a+b,0)

図5 設問の重心座標

このとき
   xg={a+0+(a+b)}/3=(2a+b)/3
となる。

これから図1において
   BF=xg=(2a+b)/3
   FC=BC−BF=(a+2b)/3
となり、前項と同様にしてFb、Fcを求めることができる。


パワースポット

高山村指定文化財「山田温泉の薬師堂」

山田温泉の薬師堂薬師堂

薬師堂は、文政11年(1828年)の上棟で間口15尺奥行き15尺の建物。奥に仏壇を3尺張出している。棟梁は長野市小島の清水与作生保で、副棟梁は久保の西沢政五郎父子であり、図面があった。
 形式的には方三間堂のように作られた入母屋造り、銅板葺の建物で正面に一間の向拝を付けている。軒は二間で扇垂木とする。
 彫刻は向拝の木鼻が振向きの唐獅子、紅梁上に龍、紅梁の絵様に波・亀、手狭みに菊の籠彫りとする。また、隅柱の木鼻は、松・鶴の籠彫りとするなど技巧的な彫刻を多くつけている。

薬師三尊薬師堂内部

内部には結界が設けられているが、5月7〜8日、10月7〜8日のお祭りには結界をはずして、内部が一体の空間となる。
 薬師如来を本尊とし左右に日光菩薩、月光菩薩を従えている。

【高山村指定文化財】【長野県現存算額集大成 算額への招待】『会報高山史談』より

 

パワースポット

八町村(現・須坂市八町)の和算家・町田安祐公達が【術】を導き出した方法は、現代解法のようにして辿り着いたか、それとも重心に関する公式を知っていたのか、あるいはそれらとはまったく異なる和算独特の公式を利用したのか不明ですが、すっきりと整った【術】の記述は素人目にも簡潔明瞭でお見事です。
 これを解くことに成功したときは膝をぽんと叩いてにんまりしたか、嬉しさのあまり飛び上がって万歳したか、はたまた小躍りして喜び、その感動を『算額』にして薬師堂に奉納したのではないかなどと想像してしまいます。

山田温泉薬師堂の『算額』の問題を現代数学で解いた中村信弥氏と赤羽千鶴氏は長野県における和算研究の第一人者で、「解説」と「現代解法」の引用許可をお願いしたところ、快くご承諾いただきました。厚くお礼申し上げます。
 中村氏らの調査によると長野県内には74面の算額が現存しており、山田温泉薬師堂の算額はそのうちの1面で、村の貴重な文化財といえるでしょう。

山田温泉の薬師堂が『算額』の霊験によって学業、特に数学・理科の理解力が高まるパワースポットということにすれば、新しい名所になるかもかもしれません。


参考にさせていただいた資料

最終更新 2018年 2月18日

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