高井野の地理>高井野を取り巻く山

山田村の里山・奥山

高井村の山
 明治7年(1874年)から10年間でまとめられた『長野懸町村誌』には、中倉山や笠嶽と、横手山から黒湯山・老ノ倉山までの上信国境の山々が奥山田村と中山村の双方に記載されています。
山田村の山
 (カシミール3Dで作成)
 江戸時代以前は山田地域全体が山田郷で江戸時代に奥山田村・中山村・駒場村に分割されましたが、奥山田地籍の山林に入会権があることから、自村に含むと考えていたと思われます。
 奥山田村は牧村との境は八滝で、それより東側を自村の範囲と記載しており、横手山を源流とする松川が境界と主張する牧村と地籍争いになっていました。


奥山田村(現・高山村奥山田)

奥山田村絵図
↑明治18年(1885年)に制作された【奥山田村(絵図)】長野県立歴史館蔵
 掲載許可者:長野県立歴史館(平成24年3月7日)(クリックすると拡大表示します)

編輯

奥山田村誌編輯掛 藤原東兵衛
       宮川彦右衛門
 総代    宮川彦右衛門
 村戸長   宮川太右衛門

【横手山】

横手山 横手山
 民有地。大字山田入の内
 高さ567丈、周囲未だ実測を経ず。本村の卯の方にあり。
 嶺上より三分し、東北は上野國吾妻郡に属し、西は平穏村に属し、南は本村に属す。
 山脈、東南隅は池ノ塔山に接し、西は木曾の城山に連る。樹木あり。
 平穏村より該山の中腹を経て上州吾妻郡に達する道路あり。
 渓水1條中腹より発し、南に折れ西下して山麓に至り、山田川に入る、長さ20町、幅3尺。
↑横手山、池ノ塔山、乳山、白根山

【池ノ塔山】

池ノ塔山 池ノ塔山
 民有地。大字山田入の内
 高さ凡そ523丈、周囲未だ実測を経ず。本村卯の方にあり。
 頂上より二分し、東は上州吾妻郡に属し、西は本村に属す。
 山脈、北は横手山に接し、南は乳山に連る。樹木鬱葱。
 渓水1條あり、中腹より発し、西流して山麓に至り、山田川に入る。長さ30町、幅3尺。
↑池ノ塔山、乳山

【乳山】

乳山 乳山
 民有地。大字山田入の内
 高さ凡そ414丈、周囲未だ実測を経ず。本村卯方にあり。
 嶺上より二分し、東は上野國吾妻郡に属し、西は本村に属す。
 山脈、北は池ノ塔山に接し、南は白根山に連る。樹木あり。
 渓水1條、中腹の渓間より発し、西流して山田川に入る。長さ22町、幅3尺。
 本村より該山を経て、上州吾妻郡草津に達する道路あり。
↑横手山、乳山、池ノ塔山

【白根山】

白根山 白根山
 民有地。大字山田入の内
 高さ524丈、周囲未だ実測を経ず。本村の辰の方にあり。
 嶺上より二分し、東は上野國吾妻郡に属し、西は本村に属す。
 山脈、北は乳山に接し、南西は満山に連る。樹木あり。
 渓水1條、中間の渓谷より発す、細流なり。山麓にて山田川に入る。長さ31町、幅3尺。
(目今牧村ト地籍争論中)付箋
↑乳山、白根山

【満山】(万座山)

御飯岳
↑万座山、御飯岳、老ノ倉山
 民有地。大字山田入の内
 高さ340丈、周囲未だ実測を経ず。本村の巳の方にあり。
 嶺上より二分し、南は上州吾妻郡に属し、北は本村に属す。
 山脈、東は白根山に接し、西は黒湯山に連る。樹木鬱葱。
 渓水1條、嶺上の渓間より発し、山麓に至り山田川に入る。長さ20町。
 本村より東の方、該山を経て上州吾妻郡萬座湯に達する道路あり。本村より嶺上に至る長2里半、幅5尺。
(目今牧村ト地籍争論中)付箋

【黒湯山】

黒湯山 黒湯山
 民有地。大字山田入の内
 高さ412丈、周囲未だ実測を経ず。本村辰の方にあり。
 嶺上より三分し、東南は上州吾妻郡に属す。西南は高井村に属し、北は本村に属す。
 山脈、東は満山に接し、西は老ノ倉に連る。樹木あり。
 渓水2條、一は嶺上の渓谷に発し、字カラ澤にて山田川に入る。長30町、幅5尺。 一は中腹の渓間より発し、字小ボラ澤に至り山田川に入る。長さ25町、幅3尺。
 登路1條、、東南の方字隈久保より上る、高さ20町、嶮路なり。
(目今牧村ト地籍争論中)付箋
↑黒湯山、御飯岳、老ノ倉山

【老ノ倉山】

 民有地。大字山田入の内
 高さ387丈、周囲未だ実測を経ず。本村の巳の方にあり。
 嶺上より二分し、西南は高井村に属し、北は本村に属す。
 山脈、東は黒湯山に連り、西は八瀧に接す、樹木鬱葱、登路なし。
(目今牧村ト地籍争論中)付箋

【八瀧山】

 民有地。大字山田入の内
 高さ326丈、周囲未だ実測を経ず。本村の辰の方にあり。
 嶺上より二分し、南は高井村に属し、北は本村に属す。
 山脈、東は老ノ倉に連る。樹木繁茂す。
 登路1條、辰の方廣川原より上る、高さ15町嶮路なり。
 渓水1條、嶺上ヤチ池に発し、北流して瀑布となる、高80丈。下流山田川に入る。是より称して松川と云う、長さ30町、幅7尺。
(目今牧村ト地籍争論中)付箋

【木曾ノ城山】

笠岳 木曽ノ城山
 民有地。大字山田入の内
 高さ450丈、周囲未だ実測を経ず。本村の寅の方にあり。
 嶺上より二分し、北は平穏村に属し、南は本村に属す。
 山脈、東は横手山に接し、西は笠嶽山に連る。樹木少なし。
 渓水2條、1は中間より発し、南流し、字平石にて瀧に懸れり、北瀧を平石瀧という、下流山田川に入る、長さ20町、幅4尺。 1は頂上より発し南流、山麓にて山田川に入る、長さ20町幅4尺。
↑笠岳、木曽ノ城山

【笠嶽山】(笠ヶ岳、笠岳)

笠岳 笠岳
 往古、笠トリ山という、民有地。大字山田入の内
 高さ508丈、周囲未だ実測を経ず。本村の寅の方にあり。
 嶺上より三分し、北は平穏村、佐野村に分属し、南は本村に属す。
 山脈、東は木曾ノ城に接し、西は竪壁山に連る。樹木鬱蒼。
 登路1條。卯の方字馬繋小場(まげこば)より上る、高さ1里10町嶮路なり。
 渓水3條、山腹の渓谷より発し、各西流し、山麓にて山田川に入る。各長さ20町幅5尺。
↑笠岳、横手山

【竪壁山】(立壁山)

中倉山 立壁山
 民有地。大字山田入の内
 高さ338丈、周囲未だ実測を経ず。本村の丑の方にあり。
 嶺上より二分し、西は中山村に分属し、南は本村に属す。
 山脈、東は笠嶽山に接し、西は桑山に連る。樹木なく熊笹多し。
 登路1條、村の卯の方より登る、高さ1里14町嶮路なり。
 渓水2條、一は字瀧澤より発し、西流し、鎌田川となる。一は字寒平より発し中腹の字鎌田にて鎌田川に入る。長さ15町幅5尺。
↑立壁山、中倉山

【中ノ倉】(中倉山)

 民有地。大字山田入の内
 高さ297丈、周囲未だ実測を経ず。本村の卯の方にあり。
 全山本村に属す。
 山脈、笠嶽山に連る。
 渓水2條、一は該山の中央渓間より発し、字大澤にて山田川に入る、長さ20町、幅4尺。 一は字輪縄場澤より発し、南流し、字輪ナバにて松川に入る、長20町、幅3尺。
 山麓に鬼の抱石と称する、巨大の石あり、高さ7丈、周囲6丈。

【山彦山(こだまやま)】

平塩山 山彦山
 民有地。大字山田入の内
 高さ180丈、周囲未だ実測を経ず。本村の卯の方にあり。
 全山本村に属す。
 山脈、東は桑山に連る。草木鬱蒼、登路なし。
↑平塩山、三沢山、山彦山、中倉山

【桑山】

 高さ210丈、周囲未だ実測を経ず。本村の亥の方にあり。
 嶺上より二分し、北は佐野村、寒澤村、間山村に分属し、南は本村に属す。
 山脈、東は竪壁山に接し、西は鳥屋山に連り、草木繁茂す。
 登路1條、村の東北より上がる、高さ40町嶮路なり。
 本村より該山を経て、寒澤村へ通ずる道路あり。
 渓水1條、山腹より発し、西流して本村に至り、松川に入る、長さ1里、幅5尺。

【鳥屋山(とややま)】(平塩山)

 高さ210丈、周囲未だ実測を経ず。本村の亥の方にあり。
 嶺上より二分し、西は中山村に属し、東は本村に属す。
 山脈、東は桑山に連る。草木鬱蒼、登路なし。


中山村(現・高山村中山)

中山村絵図
↑明治初期に制作された【中山村(絵図)】長野県立歴史館蔵
 掲載許可者:長野県立歴史館(平成24年3月7日)(クリックすると拡大表示します)

編輯

村戸長 西原源左衛門
 村誌掛 毛利勝右衛門
 同   小林喜左衛門
 編輯人 本多法運

【不動山】

雁田山 不動山
 高さ150丈、周囲未だ実測を経ず。村の西方にあり。
 嶺上より二分し、西北は雁田村に属し、東南は本村に属す。
 山脈、東北瀧ノ入山に連る。雑樹密生す、登路なし。

【瀧ノ入山】

 高さ100丈許、周囲未だ実測を経ず。村の戌の方に在り。
 嶺上より二分し、北は櫻澤村に属し、南は本村に属す。
 山脈、東の方矢崎山に連る。雑樹葱翠たり。
 渓水1條何面の麓より発し、南流して本村に至り、字西原の田用水となり、下流字西原にて鎌田川に入。長5町許、幅5寸。

【矢崎山】

矢崎山 矢崎山 一名飯縄山
 高さ90丈許、周囲未だ実測を経ず。村の戌の方に在り。
 嶺上より二分し、北は櫻澤村に属し、南は本村に属す。
 山脈、東は升形城山に連る。雑木鬱々たり。
 登路1條、村の西の方、字矢崎より登る。高さ5町嶮路なり。

【升形城山】(桝形城山)

 高さ70丈、周囲6丁許、本村の中央にあり。
 山脈、東北山王山に連る。雑木繁生し、登路1條、南の方字馬場より登る。高さ4町嶮路なり。

【山王山】(三王山)

臼平山 山王山
 高さ60丈、周囲未だ実測を経ず。村の丑の方にあり。
 山脈、東の方臼平山に連る。雑樹密生す、登路なし。

【臼平山】

 一名北の入山
 高さ150丈、周囲未だ実測を経ず。村の寅の方に在り。
 嶺上より四分し、北は間山村に属し、東は本村及び奥山田村に属し、辰巳の一隅は奥山田村に属し、西南は本村に属す。
 山脈、南の方平塩山に連る。雑樹、杉木蓊鬱たり。
 登路3條、一は南の方平塩より登る、高さ15町嶮にして遠し。 一は西の方坪井より登る、高さ10町嶮にして近し。 一は奥山田村字宮村を経て登る、高さ18丁易にして遠し。

【便六山】

 一名伊勢山
 高さ40丈、周囲2町許、村の東の方にあり。全山本村に属す。
 山脈、東の方平塩山に亙る。松樹雑木多し。
 登路1條、村の東の方字原宮より登る高さ2町易路なり。

【平塩山】(鳥屋山)

 奥山田村にてはトヤガ峯と称す。
 高さ80丈、周囲未だ実測を経ず。村の東方にあり。
 嶺上より二分し、東は奥山田村に属し、西南は本村に属す。
 山脈、西は便六山に連る。雑樹密生す。
 渓水1條、南麓より発し、本村に至り田用水に供し、字平塩にて鎌田川に入。長さ2町、幅4寸。

【桑山】

平塩山 桑山
 大字山田入
 高さ、周囲未だ実測を経ず。本村の東方にあり。
 嶺上より三分し、北は間山村、寒澤村に分属し、南は本村及び奥山田村に属す。
 山脈、西は臼平山に連り、東は竪壁山に接す。雑木生す。
 渓水1條、何面の中腹より発し、奥山田村にて鎌田川に入る。長さ20町、幅2尺。
 登路1條、奥山田村字宮村を経て登る、高さ30町許、易にして遠し。
↑平塩山、三沢山、山彦山、中倉山

【竪壁山】(立壁山)

 高さ、周囲未だ実測を経ず。本村の東方にあり。
 嶺上より二分し、北は佐野村に属し、南は本村及び奥山田村に属す。
 山脈、東は笠岳に連り、西南は中ノ倉山に接す。樹木鬱葱。
 登路1條、奥山田村字荻久保より登る、高さ30町許、嶮路なり。
 南麓より渓水1條発す、鎌田川の源水なり。

【中ノ倉山】(中倉山)

 高さ、周囲未だ実測を経ず。本村の東にあり。
 全山本村及び奥山田村に属す。
 山上雑木多し。

【笠岳】(笠ヶ岳)

笠岳 笠岳
 高さ、周囲未だ実測を経ず。本村の東方にあり。
 嶺上より二分し、北は佐野村に分属し、南は本村、奥山田村に属す。
 山脈、東は横手山に連り、西は竪壁山に接す。雑樹欝欝葱然たり。
 登路2條、一は東北の方佐野村より登る、高さ2里許、易にして遠し。 一は南の方字「イタドリ」より登る、高さ1里余、嶮にして近し。
↑笠岳、横手山

【横手山】

 上州にては三ックンジ山と云う。
 高さ、周囲未だ実測を経ず。本村の東にあり。
 嶺上より三分し、東北は上州吾妻郡入山村に属し、西南は本村奥山田村に属し、北は平穏村に属す。
 山脈、西は笠岳に連り、南は満山に亙る、雑木鬱葱たり。
 南部半腹に平穏村より上州草津に達する道路あり。
 渓水1條、南麓字横手澤より発す、松川の源水なり。

【満山】(万座山)

万座山 満山
 高さ、周囲未だ実測を経ず。村の東方にあり。
 嶺上より二分し、東は上州吾妻郡に属し、西は本村奥山田村に属す。雑木密生す。
 南麓より渓水を発す。白根澤と称す。松川の源水なり。
↑万座山、御飯岳

【八瀧山】

万座山 八瀧山
 高さ、周囲未だ実測を経ず。本村の辰の方にあり。
 嶺上より二分し、西南は牧村に属し、東北は本村内奥山田に属す。
 山脈、満山に連り、西は牧村山に接す。雑樹蓊鬱たり。
 登路1條、東の方廣河原より登る、高さ20町嶮路なり。
 1條の瀑水山の西端に懸かれり、北に向かって斜下す。大凡70丈。下流山麓にて松川に入る。此の瀧を以て牧村と堺す。
↑黒湯山、御飯岳、老ノ倉山


参考にさせていただいた資料

最終更新 2012年 8月20日

上に戻る