ぶどう畑から見える北アルプス北部と北信越の山々です。
この中に「日本百名山」や「花の百名山」に選定されている山がいくつあるでしょうか。
2003年4月22日(IEでは写真の山にポインタを合わせると名前を表示します。)
長野県から新潟県境にかけてそびえる山々を、北信州では北信五岳と呼んでいます。
戸隠山(とがくしやま;1,904m)、飯縄山(いいづなやま;1,917m)、黒姫山(くろひめやま;2,053m)、妙高山(みょうこうさん;2,454m、写真右端)、斑尾山(まだらおさん;1,381m)の5山を指します。
斑尾山よりはるかに高くて立派な高妻山(たかつまやま;2,352m、写真中央の白い山)や、活火山の焼山(やけやま;2,400m、妙高山の左の白い山)、火打山(ひうちやま;2,461m、写っていない)などは含まれていません。
お隣の小布施町から中野市にかけては、この五山が正面に見えるようですが、当地区からは斑尾山は視野の外で見えず、一般に戸隠表山と呼ばれる戸隠山は飯縄山の後ろに隠れ、戸隠連峰南西端の西岳(にしだけ;2,053m)がわずかに顔を見せているだけです。
「日本百名山」には、北信五岳からは妙高山、周辺から高妻山と火打山が選定されています。日本山岳会の「日本三百名山」には北信五岳から黒姫山、飯縄山、戸隠山、斑尾山が、周辺からは焼山が選定されています。また、田中澄江さんの「新・花の百名山」には北信五岳がまとめて1山として選定されています。
白馬岳(しろうまだけ;2,932m)、杓子岳(しゃくしだけ;2,812m)、鑓ガ岳(やりがたけ;2,903m)からなる北アルプス北部・後立山連邦(うしろたてやまれんぽう)の主峰(写真左端の白い山の連なり)で、白馬岳は深田久弥さんの「日本百名山」に選定されています。
また、白馬岳のお花畑はすばらしく、田中澄江さんの「花の百名山」、「新・花の百名山」のいずれにも選定されています。
馬の形をした雪形が田んぼの代掻きの時期に現れることから”代掻き馬(しろかきうま)”と呼んだものが”白馬(しろうま)”に変わったそうですが、最近は本名の”しろうま”よりも”はくば”のほうが全国的に通りが良いようです。
冬季オリンピック・ジャンプ会場のある村の名前でさえ白馬村(はくばむら)だから、仕方がないか。
同じ長野県の北部でも、当地方では”代掻き”とはいわず”田掻き”というので、北アルプスの裾の西側と千曲川が流れる東側とはずいぶん違いがあります。
ある信州人が「うしろ立山とは何だ。こっちが表で、立山は裏だ。」と憤慨していました。立山を見ることができない北信州の住人として、この気持ちは理解できますが、もともと北アルプスは”飛騨山脈”なのですから、どっちが表で、どっちが前なんでしょうか。
善光寺さんのある長野市からは、中間にある山にさえぎられて白馬岳を見ることはできません。長野市内にある県立長野高校の校歌は「山また山の遙方に聳ゆる白馬の雪の峰」という詞で始まります。この詞の作者は、実際に見えなくても想像力を働かせろ、といいたかったんでしょう。きっと。
新潟県では、新潟県内にある妙高山、焼山、火打山の3山を「頸城三山(くびきさんざん)」と呼んでいます。
妙高山、焼山、黒姫山、飯縄山などは妙高火山群に含まれる火山で、最近では、焼山が1974年(昭和49年)7月に登山者3名が亡くなる噴火をして、大きな被害を与えています。
このときはずっと雲に覆われていて、当地方から噴火の様子を見ることはできませんでしたが、今でも風のない晴れた早朝には、山頂からまっすぐ上がっている煙が見えることがあります。
※ということで、上の写真には「日本百名山」中の3山、「花の百名山」中の1山が写っています。
また「日本三百名山」中の6山が、「新・花の百名山」中には2山(北信5岳が1山になっていますので、実際には4山)が写っています。