←高杜神社参道の標柱・幟旗・鳥居・門灯籠と杉並木久保区が高杜神社の例大祭などに奉納してきた門灯籠が材料の老朽化と住民の高齢化が相まって行事の都度立てることが困難になっていたことから、平成20年(2008年)に区民の総意で常設化しました。
※大部分の写真は松本木材株式会社様から提出された完成図書から引用しています。

従来は高杜神社の秋祭りの朝に鳥居の前に立て、お祭りが終わると解体していましたが、常設すると鳥居が見えなくなることから、建設場所は鳥居の奥の石段の上としました。

本殿まで約250m続く杉並木は、高山村第1回景観賞に選定されており、門灯籠も優れた景観に調和した木造としました。
建設委員の勝山昌宏1級建築士に設計・管理を委嘱しました。
配置図(クリックすると拡大)
門灯籠図(クリックすると拡大)
断面図(クリックすると拡大)
前方に建つ両部鳥居と同様、親柱の前後に控え柱を立て、親柱は7寸角、控柱には5寸角の欅材を用い、貫を通して支えています。
高山村の景観賞に選定された杉並木に調和した設計です。
りょうぶとりい【両部鳥居】:
柱の前後に控柱(ひかえばしら)を設け、親柱と控柱との間に貫(ぬき)をつけた鳥居。神仏混淆の神社に多い。 例えば敦賀(つるが)の気比(けひ)神宮の鳥居。権現鳥居。四脚鳥居。稚児柱鳥居。枠指(わくさし)鳥居。 広辞苑
この図面を基に見積依頼業者を選定して見積を依頼し、最低価格で見積いただいた松本木材(株)と契約しました。
平成20年6月26日 高杜神社・中村総代長、篠原副総代長をお招きし、勝山神官さんによって工事の安全を祈願する地鎮祭を執り行いました。

建設場所は緩い登り斜面で、周囲は杉の大木がそびえています。
もっとも古い杉の樹齢は400年ともいわれ、杉の根を傷めない基礎にする必要があります。

杉の根が張っていると基礎を深くできないため、べた基礎にして荷重を受ける構造としました。
地面を掘ると予想通り、太い杉の根が何本も露出しました。
掘ったときに皮が剥けた部分に防腐剤を塗布して保護します。

砕石を転圧し、その上を防湿シートで覆います。

鉄筋を組み、生コンを打設します。

基礎の完成です。
立ち上がり部分には御影石の沓石が載り、親柱と控え柱を支えます。
平らな部分は土で覆います。

平成20年7月6日 門灯籠の親柱となる欅材を選定するため、松本木材・松本社長、中島頭領とともに、建設委員6名が、群馬県富岡市へ出張しました。
(株)勅使河原製材は全国から欅材を集めている欅専門の銘木屋さんです。
あらかじめ用意されていた7寸角の親柱が取れる材料4本の中から、門灯籠に相応しい材料を選定しました。

5寸角の控え柱と貫の材料も、慎重に吟味して選定しました。

建て方の前に、白木用保護塗料を塗布しておきます。



平成20年8月26日 建て方
夕方、区役員代表と建設委員により上棟式を執り行いました。

屋根は銅板葺きです。

床部分の障子が取り付けられました。

前面と後面に各4枚、左右側面に各2枚の障子が立てられました。
文字は区内の書道家・勝山耕煙氏に揮毫していただいた和紙をアクリル板に貼り付けてあります。

平成20年10月13日 無事に完成し、高杜神社氏子総代をお招きして竣工祭を執り行いました。

平成20年10月16日 高杜神社の例大祭で門灯籠が点灯されました。


堀之内と久保の神楽は門灯籠を通って杉並木を上って行きました。
須坂新聞 平成20年10月10日
