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北信州のはなしことば 「は行」
おことわり:ことばの解釈や用法、語源などは、あくまでもこのページの管理者が勝手に判断したもので、学術的な根拠に基づくものではありません。説明が不適当だったり、間違っているものがありましたら、ご容赦ください。
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- 「ばあやん」
- ”お婆さん”のこと。親しいと「ばやん」になる。→「じいやん」
「あっこんちのばあやんもうじき90にならるせうに、畑で草むしりしてらるで」
(あのお宅のお婆さんはもうじき90歳におなりになるというのに、畑で草むしりをしてらっしゃいますよ)
- 「はあるか」
- 長い時間が経過していること。”遙か(はるか)”が訛った。
- 「はあるか寿司食べに行ってねぇなあ」(ずいぶん長いことお寿司を食べに行ってないねぇ)
はるか:距離または年月の遠くへだたっているさま。広辞苑
- 「はあるかぶり」
- ”久しぶり”という意味。
- 同級会で「はあるかぶりだねえ(久しぶりだねえ)」と懐かしがる。
- 「はえ」「はえ〜」
- ”早い”や”速い”が訛った。
- 「よたかしてるんで朝のはえのはまるっきりだめど」
(夜更かしをしているので朝が早いのはまったく駄目ですねえ)
- 「あっこんちのばあやんもうじき90にならるせうに、足のはえことはえこと」
(あのお宅のお婆さんはもうじき90歳におなりになるというのに、足の速いこと速いこと)
- 「・・・ぱか」
- ”ほんの少し”という意味。”たった・・・ぽっち””たった・・・だけ”
「今年は天気悪かったんでこれっぱかしか豆できなかった」
(今年は天候が不順だったのでたったこれだけしか豆が収穫できなかった)
- 「はがい」(【が】が高い)
- ”はがゆい”が縮んだ。
- 「はかいく」(【は】が高い)
- 漢字では「計行く」。”計が行く(はかがいく)”が縮んだ。
はかがいく:仕事などが順調に進む。はかどる。広辞苑
- 「はく」
- 漢字では「掃く」。蚕を飼うとき「50グラム掃く」といって重さで飼育規模を表現した。
はく:養蚕で、孵化した毛蚕ケゴを、蚕卵紙から羽箒で掃きおろし蚕座サンザへ移すこと。広辞苑
- 「はくしょ」
- ”くしゃみ”のこと。
- 「風邪ひいたらしく、はくしょばっか出る」(風邪をひいたらしく、くしゃみばかり出る)
- 「はぐる」
- 布団などを”捲り上げる(まくりあげる)”こと。
- 「こたつにひいいれるから布団はぐっとけや」
(炬燵に熾き火を入れるので布団を捲くり上げておいてくださいね)
はぐる:はぎまくる。まくりかえす。めくる。広辞苑
- 「はこ」(【は】が高く【こ】を下げる)
- 雄のミヤマクワガタのこと。
箱を背負っている姿に見立てて「はこしょい(【は】が低く【こしょい】を上げる)」とも呼んでいる。
- 「はごす」(【は】が低く【ごす】が高い)
- ”はずす”こと。
- 「肩のぎりはごした」(肩を脱臼した)
- 「はじかむ」
- ”悴む(かじかむ)”が訛った。寒くて手足が凍えること。
- 「てぇはじかんで仕事できねくなったからけえらず」(手が悴んで仕事ができなくなったから帰りましょう)
- 「はしっけ」
- ”はしこい”が訛った。
はしこい:挙動がすばやい。敏捷である。すばしこい。はしっこい。広辞苑
- 「はしゃぐ」
- 漢字では「燥ぐ」。
- 「おてんとさんおでやったらはしゃいできた」(太陽が出てきたら乾燥してきた)。
はしゃぐ:かわく。乾燥する。広辞苑
- 「はす」(【は】が高く【す】を下げる)
- 漢字では”馳す(はす)。”馳せる”の文語。
- 「石投げたらサルのやろ、くぁらんくぁらん逃げてはした」(石を投げたらサルの奴が、カランカラン走って逃げた。)
はす:走るようにする。走らす。また、走る。かける。広辞苑
- 「パス」
- バスのこと。
- ちなみに「でんしゃ」は長野電鉄の電車のことをいい、昔の国鉄の「汽車」や「列車」は「きしゃ」といった。
- 「はたきつける」
- ”強くぶつける”、”叩きつける”こと。
- 「しらね猫うちんなかへってきたんで箒はたきつけてやった」
(知らない猫が家の中に入ってきたので箒を叩きつけてやった)
- 「はたっころぶ」
- ”勢いよく転ぶ”こと。
「いっせなしはたっころんで怪我した」(ものすごい勢いで転んで怪我をした)
- 「はたっつかる」(【た】が高い)
- ”ぶつかる”こと。
「余所見してたら電柱にはたっつかった」(電柱にぶつかった)
- 「はたっつける」
- ”ぶつける”こと。「はたきつける」ともいう。
「こないだ車をはたっつけちゃった」(このあいだ車をぶつけちゃった)
- 「・・・ばっか」「・・・ばぁっか」
- ”・・・ばかり”。
「こないだ蕨温泉へ行ったら、知らねもんばっかだった」(このあいだ蕨温泉へ行ったら、知らないひとばかりだった)
- 「はったおす」
- ”張り倒す”が訛った。
- 「はっつける」
- ”張り付ける”が訛った。「おっぱる」、「はっぱる」、「はっぱりつける」ともいう。
「背中に湿布薬をはっつける(張り付ける)」
- 「・・・はねる」(【は】は低く【ねる】は上がる)
- ”・・・始める”という意味。
「先にご飯を食べはねろ」(食べ始めなさい)などという。
- 跳び上がるのではない。
- 「ばばい」
- ”汚い”、”汚れている”。「ばばっちい」ともいう。
決して婆(ばばあ)が汚いから「ばばい」のではない(はず)。
- 「はばきぬぎ」
- 旅行から無事に帰ったことをねぎらう”ご苦労さん会”。
- はばき(脚絆)を脱いで、やれやれと安堵したことから出たことば?
- 「ばらぞくれ」
- ”擦り傷”のこと。
「バラの棘で擦ったような傷」から変化した。
- 「はりい」
- ”張合い”のこと。
「孫は口もきかねではりいのねえこと」(孫は話もしないので張合いのないこと)
- 「はりながる」
- ”寂しがる”。訛ると「はんながる」。
- 「はりねぇ」
- “はりあいがない”、”寂しい”、”つまらない”。「はんね」ともいう。
- 「ことしはさくらんぼがちっとしかならねんで、はりねぇこと」(今年はさんくらんぼが少ししか成らないので、つまらないことだ)
- 「はんてん」
- ”綿入れ(わたいれ)”のこと。「綿入ればんてん」ともいう。
- 北国の代表的な防寒衣料だが、昔、「はんてん」を着て小学校に通っていた先生がいて、村人のあいだで評判だった。
- 「ばんてんこ」
- ”交替に”あるいは”交互に”という意味。
- 「じょんじょんこ」は”順番に”という意味で、ちょっと違う。
- 「はんぺた」
- ”半分”あるいは”片側”という意味。
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- 「ひょおしわり」「ひょおしわりい」
- ”運が悪い”という意味。「拍子悪い」が訛った。
- 「朝早く子供を学校へ車で送ってってネズミ取りに引っかかるなんて、ひょおしわりなあ(運が悪いねえ)」
- 「びしょびしょ」
- ”みずみずしい”状態をいう。
- 「このメロンびしょびしょしていてうんまい(みずみずしくておいしい)」
一般的かどうかは不明。
- 「ひすばる」(【ひ】が高く【すばる】が低い)
- ”乾く”、”干からびる”こと。
- 「ひだりっかち」(【か】を下げる)
- ”左利き”のこと。
- 「びちゃりがい」
- あまり手をかけずに放任して育てること。現代なら”放任主義”。「びちゃり飼い」。
- 蚕(かいこ)の飼育から出たことば。
- 「びちゃる」
- ”捨てる”。「べちゃる」「ぶちゃる」ともいう。
- 「ひっかく」
- 硬い物を”欠く”、”割る”、”折る”。「欠く」を強調したいいかた。
- 「茶碗が落ちて、ひっかけた(欠けた、割れた)」。「1枚のせんべを、ひっかいて(割って)分けて食べた」。「つまずいて転んだら、足の骨がひっかけた(折れた)」
- 「おしょる(折る)」と重複する部分が多いが、「おしょる」は長い物を折る場合に使い、「茶碗をおしょる」とは言わない。
- 「ひっかしがる」
- 「かしがる」(かたむく)を強調したいいかた。
- 「ひっかすばる」
- ”干からびる”こと。
「くるくる寿司のねたがひっかすばってた(干からびていた)」
- 「ひっからがる」
- ”絡まる(からまる)”を強調したいいかた。「ひっからまる」ともいう。
「草が伸びて足にひっからがって歩きずれえこと」(草が伸びて足に絡まるので歩きにくいことだ)
- 「ひっきる」
- ”切る”を強調したいいかた。”引きちぎる”感じ。
- 「びっこ」
- 対になったものの長さ(高さ)が異なっていること。
- 「この箸びっこだで」(この箸の長さが違っていますよ)
びっこ:1)足の故障によって歩行の釣合がとれないこと。また、その人。
2)対(つい)であるべき物の形や大きさがそろわないこと。かたびっこ。広辞苑
- 「びっこひく」
- 片足に障害があって歩くこと。
- 「ひっこくる」
- 強く引っ張ること。
- 「びっこひゃっこ」
- ”ちぐはぐ”といった意味。
- 「靴下の色が右と左で違ってびっこひゃっこだ」(ちぐはぐだ)
- 「びっしょ」
- ずぶ濡れの様子。”びっしょり”。「びっちょ」ともいう。
- 「ぐっしょ」、「じっく」も同じ意味。
- 「ひっちげる」
- ”捻挫する”、”筋をちがえる”こと。
- 「ふんがしげて足ひっちげた」(踏み外して足を捻挫した)
- 「ひっちゃく」
- 勢いよく破くこと。「ひっちゃばく」「ひっちゃぶく」ともいう。
- 「茶の間の障子ひっちゃいたの(破ったのは)だれだ」
- 「ひっちょる」
- ”背負う”こと。
- 「大根えっぺこいだんでひっちょってきた」
(大根をたくさん引き抜いたので背負ってきた)
- 「ひっちらかす」
- 散らかし放題にすること。
- 「おもちゃひっちらかしておかねで、片付けろ」(玩具を散らかしっぱなしにしておかないで、片付けなさい)
- 「ひっつく」
- 付着すること。「くっつく」、「とっつく」と似ている。
- 「のし餅を重ねておいたらひっついて(くっついて)剥がれなくなった」
- 「ひっつる」
- ”引っ張る”。「ひっつめる」ともいう。
- 「ひっぱさみ」
- ”尻を端折る”こと。「尻っぱしょり」ともいう。
尻を端折る:着物の端ハシを折って帯などに挟む。尻を絡カラげる。広辞苑
- 「ひっぺがす」
- 張り付いているものを”剥がす”こと。
- 「ひてぐち」
- ”額(ひたい)”、”おでこ”
- 「ひとっぺに」
- ”一度に”、”一気に”
- 「ひとっとこ」
- ”一箇所”あるいは”同じところ”
「ひとっとこ(一箇所)傷があってもりんごは売り物にならない」
「茸がひとっとこに(同じ所に)何本もはえていた」
- ”ひとところ(一所・一処)”が変化した。
ひとところ:同じところ。同じ場所。「一所に留まる」。広辞苑
- 「ひとばかにして」
- おもしろい話をして大笑いさせる人に、「あまり人をからかわないでくださいよ」という感じで応えるときのことば。
- 「ひね」
- 漢字では「陳」、「老成」。”古くなった”という意味。
- ”前の”とか”旧の”としても使う。「ひねの役員(旧役員)」。
ひね:
1)前年以前にとった穀物。旧穀。「ひね米」
2)古びたこと。また、そのもの。
3)おとなびていること。老成していること。広辞苑
- 「ひぼ」
- ”紐(ひも)”のこと。
- 「ひめ」
- 外へ稼ぎに行くときの”日当”のこと。”日給”。
稼ぎに行く人や、稼ぎに行くことを「ひろっとり」という。
- 「ひよった」
- ”変になった”、”おかしくなった”といった意味。
- 「あんまりあちんでひよっっちまった」(あまり暑いのでおかしくなってしまった)
- 「ひょろう」
- ”拾う(ひろう)”が訛った。
- 「・・・ぴら」
- ”・・・側”。
- 「西っぴら(西側)」「東っぴら(東側)」「裏っぴら(裏側)」というが、「南っぴら」「表っぴら」は聞かない。
ぴら(崖):
アイヌ語で「ピラ」piraとは「崖」という意味である。(中略)「pira」(崖)には「平」の字が当てられることが多い。
ここで今まであげた例でも、「pira」は全て「平」の字である。松浦武四郎は「pira」に「平」の字をよく使っていたようだ。
日本語の古語では「ひら」は急斜面の地形のことである。アイヌ語の「ピラ」と意味もよくあっている。
そのため「ピラ」に「平」の字を当てても違和感がなかったのだろう。地名の中のアイヌ語
- 「ひらっか」
- ”平ら”、”扁平”。
- 「ひらっかなお皿」(平らなお皿)
- 「ひる」(【ひ】が高く【る】を下げる)
- 漢字では「干る、乾る」。
- 「朝干しておいた蒲団もうひたかいやぁ(乾いたかねぇ)」
「お茶も飲まねで仕事したんで喉ひた(喉が乾いた)」
ひる:かわく。広辞苑
- 「ひる」(【ひ】が高く【る】を下げる)
- 漢字では「放る」。「まる(放る)」ともいう。
ひる:体外へ出す。ひりだす。広辞苑
「屁をひっておかしくもなし独り者」
「屁をひって娘は雪隠(せっちん)出にくがり」
- 「ひろっとり」
- ”日庸取り(ひようとり)”が訛った。
- 「りんごがやせえから、ひろっとりにでも行って稼がず」
(りんごが安いから、日雇い作業にでも行って稼ごう」
ひようとり:日雇いで働くこと。また、その人。ひようかせぎ。広辞苑
- 「ひんがらかく」
- 片足で”けんけん”すること。
- 「ひんね」
- 「昼寝」のこと。昼寝をせずに仕事をするときは「ひんねなし」という。
- 「ひんのばす」
- ”引き伸ばす”が訛った。
- 小麦粉を捏ねてひんのばし、煮立った鍋に引きちぎって投げ入れ、味を付けると「ひんのべ」「とっちゃなげ」になります。
- 「ひんまがる」(【んまが】が高い、【ひ】が高いこともある)
- ”曲がる”こと。
- 「こんなたけえもん食ったら口ひん曲がりそうだ」
(こんな高価なものを食べたら口が曲がってしまいそうだ)
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- 「ぶすっつら」
- ”膨れっ面”という意味。
- 「ぶすといろ」
- ”青紫色”。”どどめ色”
- 「ふすべ」
- ”黒子(ほくろ)”のこと。
- 「ぶちこむ」
- ”投げ入れる”とか”叩き込む”こと。
- 「ぶちゃる」
- ”捨てる”。「びちゃる」「べちゃる」ともいう。
- 「ぶつ」
- ”うつ”が訛った。「打つ」「撃つ」「撲つ」などを示す。
- 「たあぶち(田を鍬などで耕す)」
「てっぽぶち(鉄砲撃ち、漁師)」
- 「ぶっかかる」
- ”ひっかかる”こと。
- 「道歩いてたら潅水の水ぶっかかった」(潅水の水がかかった)
- 「ぶに」
- ”分”。”取り分”とか”分け前”という意味がある。
- 「おれのぶにやるから食え」(私の分を上げるから食べなさい)
- 「ふよ」
- ”笛”のこと。
- 「ぶよ」
- ”蚋(ぶゆ)”のこと。
- 「ぶるかる」
- ”ぶらさがる”。
- ぶらさげることは「ぶるける」という。「コンフューザーがりんごの枝にぶるかっている(ぶらさがっている)」
- 「ふるしき」
- ”風呂敷”のこと。
- 北信州では、結納の前に贈るという慣習がある。
- 「ふれ」
- ”お知らせ”や”連絡”、”通達”のこと。「触れ」
- 「道普請のふれあったかいやあ」(道普請の連絡ありましたかねえ)
ふれ【触れ】:
1)広く人々に知らせること。
2)政府・官公署から告示すること。また、その文書。「布令」は当て字。「触れを出す」広辞苑
- 「ふれくち」
- ”触れ”を伝える役目、あるいはその当番のこと。
- 「今年はおらちがふれくちなんでよろしく」
- 「ふんがしげる」
- ”踏み違える”。
「足をふんかしげて捻挫した」(足を踏み違えて捻挫した)
- 「ふんごくる」
- ”蹴飛ばす”こと。
- 「ふんごみ」
- 稲わらで作った長靴。
- 保温性があり、素足で履いても暖かいので、雪国の山仕事に欠かせない履き物だった。濡れたら囲炉裏(いろり)で乾かした。
- 「ふんごむ」
- ”足を出す”こと。「踏み込む」が訛った。
- 「こたつにふんごんでおくんなさい」(こたつに足を出してください)
- 「ぶんちょ」
- ”領分”、”敷地”といった意味。
「そこはおらちのぶんちょだねえど」(そこは我が家の領分ではないぞ)
- 「ふんづける」
- ”踏み付ける”が訛った。
- 「ふんづぶす」
- ”踏み潰す”が訛った。「ふんぶす」ともいう。
- 「ふんと」
- ”本当”が訛った。
- 「よんべな雹降ってりんごがでかさわぎに傷んなったせうけんふんとかいやあ」
(昨夜雹が降ってりんごがとてもひどい傷になったそうだけど本当ですかねえ)
- 「ぶんまわし」
- ”コンパス”のこと。漢字は「規」。
ぶんまわし:円を描くのに用いる具。コンパス。広辞苑
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- 「へえ」
- ”灰”が訛った。
「へえざら(灰皿)」、「へえとり(灰取り)」
- 「おこたのへえがえっぺんなったんで取ってくりや」(炬燵の灰がいっぱいになったので取り出してください)
- 「へ〜」(【〜】は下がる)「へぇ」
- ”もう”。
- 「あんなにえっぺあったお菓子がへ〜終わった」(あんなに沢山あったお菓子がもう終わった)
- 「へ〜ひるかい」(もう昼ですか)。
文字だけ見ると「屁を放(ひ)る」と同じだが、発音はちょっと違う。
- 「べーたんぼー」「べーたんぼ」
- ”丸太ん棒”のこと。単に「べーた」ともいう。
- 「へえりくち」
- ”入口”のこと。「入り口(はいりくち)」が訛った。
- 「へえる」
- ”入る(はいる)”が訛った。
- 「早く風呂へえれや」(早く風呂へ入りなさい)
- 「・・・っぺ」
- ”・・・っぽい”が訛った。”・・・のようだ”、”・・・らしい”
- 「ちょっと風邪っぺなあ」(ちょっと風邪気味だなあ)
「明日は雨っぺなあ」(あしたは雨っぽいなあ)
- 「へき」
- ”擁壁”のこと。
- 土手や石垣の換わりにコンクリートやブロックの擁壁が多くなった。
- 「○○っぺた」
- 「けつっぺた(けつ)」「しりっぺた(尻)」「よこっぺた(横)」などという。
- ”ほっぺた”(頬)ということばがあるので、昔は「○○ぺた」がもっとあったのかな?
- 「べちゃる」
- ”捨てる”こと。「びちゃる」「ぶちゃる」ともいう。
- 「腐ったりんご山へべちゃってきた」(捨ててきた)
- 「へった」(【へっ】が高く【た】を下げる)
- ”入った(はいった)”が訛った。「へえる」の過去形。
- 「もうみんな風呂へったかやあ」(もう皆さん風呂に入りましたかねえ)
「みんなへったせうで」(皆さん入ったそうですよ)
- 「へっぺへっぺ」
- 疲れ果てた様子。
- 「べと」
- ”土”あるいは”泥”のこと。
- 今でも在来工法で土壁の日本家屋を建てるお宅がある。土壁のことを「べと壁」ともいう。
- 「へなす」
- ”けなす”こと。
- 「へぼい」
- ”不出来””強度がない”といった意味。
- 「へら」
- ”舌”のこと。「べろ」ともいう。
- 「べろ」
- ”舌”のこと。
べろ:舌の俗称。広辞苑
- 「へんぼ」
- ”蝿(ハエ)”のこと。「蝿ん坊」が訛った。
- りんごの花の授粉をするツツハナバチや虻(アブ)のことも「へんぼ」と呼んでいる。
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- 「ほ」「ほぉ」
- 方向や地域などを示す。”方”の変化・訛り。
- 「おらほはこうしてるけん、おめぇたほぉじゃどうしてるだい」
(私どもの地区ではこうしていますが、あなたの地区ではどうしておられますか)
- 「ほ〜」(【〜】は下がる)
- 相手に向かって何かを伝えようとするときのことば。
- 「ほ〜、ほ〜」”おい、おい”という感じ。
- 「ほうりつける」
- ”投げ出す”。「放り付ける」。「ほっつける」ともいう。
- 「学校から帰ると鞄を放り付けたまんまにして遊びにはした」(学校から帰ると鞄を投げ出したままにして遊びに行った)
- 「ほかす」
- ふわふわっとさせること。
- 「ぼこ」
- ”赤ん坊”のこと。
ぼこ:小児。子供。また、赤ん坊。広辞苑
- 「ほっこ」
- ”頬被り”のこと。
「あんまりさびかったから手ぬぐいでほっこした」(とても寒かったので手ぬぐいで頬被りした)
- 「ほっつきあるく」
- うろうろと歩き回ること。
- 「ほっぺたまわし」
- 決まった順番のこと。
- 「村の役員がほっぺたまわしでまわってきた」
- 「ほつほつ」
- その辺を歩き回る様子を表現することば。
「いそいそ」と「とぼとぼ」の中間らしいが、共通語の「ほつほつ」とはかなり意味が違う感じがする。
ほつほつ:
1)少しずつ事をするさま。ぼつぼつ。
2)忙しいさま。ふうふう。広辞苑
- 「ほどす」
- ”解く(ほどく)”こと。
- 「結んである縄をほどす(ほどく)」
- 「ほとばす」
- ”水に漬けてふやかす”こと。
ほとばす【潤ばす】:
水に物をひたし、ふくれさせる。ふやかす。ほとぼす。広辞苑
- 「ほのす」
- ”解く(ほどく)”が訛った。
- 「結んだ縄をほのす(ほどく)」
- 「ぼろ」
- ”にきび”、”吹き出物”
「顔中でっかさわぎにぼろでかしてる」(顔中一面に吹き出物をつくっている)
- 「ほんなげる」
- ”投げつける”こと。「放り投げる」が訛った。
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